この記事では、「故障」と「不具合」の違いを分かりやすく説明していきます。
「故障」と「不具合」の違い
「故障」と「不具合」の違いについて紹介します。
「故障」と「不具合」の使い方の違い
「故障」は、「機械や身体などが使い物にならないこと」という意味です。
本来するべき動作が全くできず、機能しないことを言います。
「不具合」は、「機械やソフトウェアなどの調子が良くないこと」という意味です。
使い手の要求通りの動作ができないことを重視した表現です。
「故障」と「不具合」の英語表記の違い
「故障」の英語表現は以下の通りです。
1つ目は「broken」で「壊れた」という意味です。
“The air conditioning system is broken.”
(空調設備が故障している)
2つ目は「out of order」で、「故障中」として中学校で習う英熟語です。
“The elevator is out of order now.”
(エレベーターは今故障中だ)
「不具合」の英語表現は以下の通りです。
1つ目は「have problem」で「問題がある」というニュアンスです。
“This machine is having a problem.”
(この機械は不具合がある)
2つ目は「bug」で、こちらはソフトウェアに問題がある時に使われます。
“This program has a bug.”
(このプログラムは不具合がある)
「故障」の意味
「故障」は「こしょう」と読み、以下の2つの意味があります。
1つ目は「身体や機械などが正常に機能しなくなること」という意味で、日常ではこちらの意味で使われることがほとんどです。
2つ目は「ものごとの進行が損なわれるような事情」という意味で、「支障」と同じ意味で使われることもあります。
「故障」は基本的に、機械や機器、身体などが正常に働かなくなり、本来するはずの役割を果たせなくなることを言います。
物の場合は修理が必要で、身体の場合は治療が必要になります。
「故障」の使い方
「故障」は、「身体や機械などが正常に機能しなくなり、修理や治療が必要な状態」に使われます。
「故障する・した」と助動詞を伴って使われたり、副詞として「故障して」と使われたりします。
基本的に物理的なもの、目に見えるものに対して使われる言葉で、はっきりと原因が分かっているものに使われる言葉です。
「故障」を使った例文
・『エレベーターが故障中で5階まで階段を使わなければならなかった』
・『パソコンが故障してしまい、慌てて手書きで書類を作成した』
・『銀行のシステムが故障して、大勢の人が迷惑をこうむった』
・『彼は捻挫により故障者リスト入りをした』
・『車のエンジンが故障したので修理に出した』
「故障」の類語
・「イカれる」「行かれる」から転じて「正常ではない状態になってしまうこと」という意味です。
・「制御不能(せいぎょふのう)」「ものごとを思い通りに操れない状態のこと」という意味です。
「故障」の対義語
・「復旧(ふっきゅう)」「壊れたり、傷んだりしたものを元の状態に戻すこと」という意味です。
「不具合」の意味
「不具合」は「ふぐあい」と読み、以下の2つの意味があります。
1つ目は「調子や状態が良くないこと」という意味です。
動作はしても、ある部分だけ機能しない、或いは期待していた機能がないことを言います。
2つ目は「ビジネス用語で、故障を遠まわしにした言葉」という意味です。
相手に対して「壊れている」とはっきり言いにくい時に使われます。
「不具合」は、基本的に「調子が悪い」「うまく動かない」という意味を強調した言葉で、聞き手が状況を汲み取る為の言葉です。
「不具合」の使い方
「不具合」は、「調子や状態が良くないこと」という意味で使われます。
「不具合がある」「不具合が生じる」などと使われることが多くなります。
「不具合」は、「故障」と違い人に対しては使われません。
完全に壊れている訳ではなく、所有者が期待する機能に差し障りがある時に使われることが多くなります。
「不具合」を使った例文
・『パソコンで何度も不具合が発生する』
・『機械に不具合が生じて作業が大幅に遅れた』
・『最初から不具合の多いスマホだったので交換して貰った』
・『システムに不具合があるので修理を依頼した』
・『弊社の商品に不具合が生じましたことをお詫び申し上げます』
「不具合」の類語
・「不備(ふび)」「必要なものが完全に揃っていないこと」という意味です。
・「障害(しょうがい)」「ものごとの進行や達成のさまたげとなること」という意味です。
「不具合」の対義語
・「良好(りょうこう)」「好ましい状態であること」という意味です。
まとめ
今回は「故障」と「不具合」について紹介しました。
「故障」は「使い物にならないこと」、「不具合」は「調子が悪いこと」と覚えておきましょう。