この記事では、「見本」と「模範」の違いを分かりやすく説明していきます。
「見本」と「模範」の違い
「見本」と「模範」の違いについて紹介します。
「見本」と「模範」の使い方の違い
「見本」は、「商品などの形や品質を知らせる為に示す品物のこと」「元にするべき具体的な例」という意味で使います。
後者の意味は「手本」とほぼ同じです。
「模範」は、「理想的で望ましい状態を示す人や物などのこと」という意味で使われます。
こちらは「見習う」という意味が強くなります。
「見本」と「模範」の英語表記の違い
「見本」の英語表現は以下の通りです。
1つ目は「sample」で、「サンプル」と日本語にもなっています。
“This is the sample of our new product.”
(これは我社の新製品の見本です)
2つ目は「display」で、「表示」「展示」という意味です。
“The display items are in store.”
(見本品が店頭に並んでいる)
「模範」の英語表現は以下の通りです。
1つ目は「example」で、「典型的な事例」という意味です。
“The teacher showed them the example answer.”
(教師は彼等に模範解答を見せた)
2つ目は「role model」で「典型的な役割=お手本」というニュアンスです。
“He should be a role model in our team.”
(彼はチームの模範となるべきだ)
「見本」の意味
「見本」は「みほん」と読み、以下の2つの意味があります。
1つ目は「商品などの形や機能などを買い手に知らせる為に示す、仮の品物のこと」という意味です。
複数生産された中からいくつかを抜き出して、買い手に見せる為のもののことです。
2つ目は「具体的な例」という意味で、実際に「このようなことです」と見せるもののことを言います。
「見本」は「手本」と混同されがちで、辞書でも「見本」の意味に「手本」と掲載されています。
「見本」は、「人に情報を知らせる為に見せるもの」であり、「手本」は「真似たり、習うべき元となるもの」という違いがあります。
「見本」の使い方
「見本」は、「人に形や機能、具体的な例などを知らせる物や手段」という意味で使われます。
名詞・形容動詞として「見本だ・である」と使われたり、「見本にする」と使われたりします。
また、他の言葉と組み合わせて使われることも多く、「見本品」「見本市」などがあります。
品物ややり方など、実際に「人にこうであると見せるもの」に対して使われる言葉です。
「見本」を使った例文
・『お店で見本を見てから購入を決めた』
・『幕張メッセで大規模な見本市が開かれた』
・『送られてきた商品が見本とまったく違っていた』
・『壁紙の色見本を見て自分の好きなカラーを選んだ』
・『こういう風にすると失敗するという良い見本だ』
「見本」の類語
・「試作品(しさくひん)」
「正式に作る前に、ためしにつくった物のこと」という意味です。
・「展示品(てんじひん)」
「人に見て貰える様に置いてある物のこと」という意味です。
「見本」の対義語
・「現物(げんぶつ)」
「実際にある品物」「取引に使われる実際の品物」という意味です。
「模範」の意味
「模範」は「もはん」と読み、以下の2つの意味があります。
1つ目は元の意味で、「器などを作る時に使う、元となる型のこと」です。
「模」は木型、「範」は竹で作った型を表します。
2つ目は上記から転じて「見習うべき様子」という意味です。
最も好ましく、この様にあって欲しいという様子を表し、日常ではこちらの意味で使われることが多くなります。
常識的で社会のルールをしっかり守り、他の人達の手本となる人のことを言います。
「模範」の使い方
「模範」は「見習うべき様子」という意味で使われます。
「模範にする・した」「模範を示す・示した」と使われることが多くなります。
その他にも他の言葉と組み合わせて複合として使われ、「模範生」「模範演技」などがあります。
品物を見せて相手を納得させるのではなく、「この様にして欲しい」と相手に期待する時に使われる言葉です。
「模範」を使った例文
・『彼は学生時代も模範生だった』
・『説明問題の模範解答が配られた』
・『先輩の営業スタイルは非常に模範的で勉強になる』
・『ダンスの試験は模範演技を見てすぐに行われた』
・『部下を育てるにはまず上司が模範を示す必要がある』
「模範」の類語
・「規範(きはん)」
「行動や判断の基準となる元となること」という意味です。
・「理想(りそう)」
「そうあって欲しいと思う最高の状態のこと」という意味です。
「模範」の対義語
・「反面教師(はんめんきょうし)」
「悪い見本として反省や戒めにするものごと」という意味です。
まとめ
今回は「見本」と「模範」について紹介しました。
「見本」は「人に見せる具体的なもの」、「模範」は「人が見習うべき様子」と覚えておきましょう。