この記事では、「健闘」と「敢闘」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「健闘」と「敢闘」の違い
「健闘」とは、大変なことがあってもそれにめげずに戦うこと、自分にとって都合が悪い状態でも努力することです。
「敢闘」とは、危ないことや難しい状態を恐れることなく戦うことです。
どちらの言葉にも、たたかうという意味を持つ漢字である「闘」が使用されており、戦うことを意味する言葉です。
しかし、どのように戦うのかという点で意味が異なります。
「健闘」の場合は、精一杯戦うことです。
大変なことがあるとあきらめたくなるかもしれません。
自分に不利な状態だとやめたくなるかもしれません。
そのような状況であるにもかかわらず、誰かに服従したり、勢いをなくしたりしてしまうことなく戦うことを意味しています。
「敢闘」の場合は、勇気を持って戦うことです。
危険なことがあると怖気づいてしまうこともあるでしょう。
そのような状況でも怖気づくことなく戦うことを意味します。
「健闘」と「敢闘」の使い方の違い
くじけることなくがんばって競い合ったり、難しい状況を乗り越えたりすることについて「健闘」を使用します。
危ないことや難しいことを恐れることなく戦うことについて「敢闘」を使用します。
「健闘」と「敢闘」の英語表記の違い
「健闘」は英語で“good fight”や“strenuous efforts”と表現をします。
「敢闘」は英語で“gallant fight”と表現をします。
「健闘」の意味
「健闘」とは、難しい状況でもあきらめることなく、めげることなく戦うこと、また自分にとって都合が悪い状況でも力を尽くすことです。
AチームとBチームがサッカーの試合をすることになった場合で考えてみます。
Aチームはリーグ戦で1位になるようなチームです。
一方、Bチームはリーグ戦では毎回1回戦や2回戦で敗れてしまうようなチームです。
両者を比べるとAチームの方が圧倒的に強いといえるでしょう。
Bチームにとっては困難な状況ともいえます。
BチームはAチームに勝つことは無理だと考えても不思議ではありません。
しかし、勝つことは困難だと思われる状態でも、あきらめることなく、投げやりになることもなく、がんばって試合に臨んだとします。
このような、屈することなく頑張って戦うことを意味する言葉です。
競馬では、芝の含水量が高いと滑りやすくなり、馬が走りにくくなります。
含水量が多い芝の馬場を走ることは、馬にとっては難しい状態といえるでしょう。
それでも力一杯走っていることは、がんばって走っている、困難に屈しないということができます。
このような難しい状態でもあきらめずにがんばることを意味する言葉です。
「健闘」の使い方
難しい状況や苦しい状況であっても、それに負けることなくがんばって戦うことについて使用をします。
簡単にできることに対して力を出すことではありません。
そもそも、簡単にできることであれば、できる限りの力を出さなくてもできてしまうことでしょう。
自分にとっての難しい状況という主観的なものよりも、周囲の人がみて難しい状況だとわかる客観的なものを、屈することなくがんばって乗り越えることについて使われることが多くあります。
がんばっている本人が使うよりも、本人以外の人が使うことが多い言葉です。
「健闘」を使った例文
・『3着でゴールと健闘した』
・『6周目でも5位に入り健闘している』
・『健闘はここまでだろうか』
・『健闘の結果だといえるだろう』
「健闘」の類語
「敢闘」「善戦」が類語です。
「善戦」には、持っている力の限りを出して戦うという意味があります。
力の弱いものや負けたものに対して、よく戦ったという場合に使用します。
「健闘」の対義語
「屈する」が対義語です。
気力をなくす、服従するという意味があります。
「敢闘」の意味
「敢闘」とは、危ない状況や難しい状況を恐れることなく戦うことです。
自分より強い相手と戦うとき、負けるかもしれないと考えたり、戦うことが怖くなったりすることがあるでしょう。
「敢闘」とは、このような状況でも怖気づくことなく戦うことを意味する言葉です。
たとえば、野球の試合で9回裏1対1で満塁という状態だとします。
ピッチャーからすると、ヒットをとられてしまうと自分たちのチームが負けてしまうので、試合に臨むことが怖くなってしまうこともあるでしょう。
それでも、投げ出してしまうことはできません。
勇気を持って戦う必要があります。
もしここで投げ出してしまったら「敢闘」ではありませんが、あと1回のヒットで試合に敗れるかもしれないという難しい状況でも、恐れることなく戦うことができれば「敢闘」ということができます。
「敢闘賞」というものがあります。
これは、体を動かす競技や武道の競技などで、怖気づくことなく力を尽くして戦ったものに与えられる賞です。
野球、卓球、ゴルフ、相撲などの競技で与えられることが多くあります。
「敢闘」の使い方
危ない状況や難しい状況でも、それに怖気づくことなく戦うことについて使用をします。
難しい状況だからやめておこう、自分には無理だと考えてしまうようでは、「敢闘」とはいいません。
「敢闘賞」というものがあり、この言葉が使われることが多くあります。
日常生活よりもスポーツの世界で使われることが多い言葉です。
恐れることなく戦っている人ではなく、本人以外の人が使うことが多くあります。
「敢闘」を使った例文
・『相手とは力の差が大きいのに敢闘した』
・『力強い相手であるにもかかわらず敢闘した』
・『敢闘賞が贈られた』
・『敢闘賞に選ばれたのは○○氏です』
「敢闘」の類語
「健闘」「善戦」が類語です。
「敢闘」の対義語
「怖気づく」「恐れる」が対義語です。
「怖気づく」とは、不安である、怖いという気持ちのことです。
「恐れる」とは、不安になったり、心配になったりすることです。
まとめ
どちらも戦うことを意味する言葉ですが、がんばって戦うこと、勇気を持って戦うことという点で違いがあります。