この記事では、「狛犬」と「獅子」の違いを分かりやすく説明していきます。
「狛犬」とは?
狛犬は、こまいぬという読み方をすべき言葉です。
漢字で書かれたこの言葉を見れば理解可能な事でしょうが、高麗やこまいぬの略語である狛の漢字に、最も古い家畜であり食肉目イヌ科の動物である犬の漢字を付け足す事で成立した言葉となっています。
だからこそ狛犬は、神社の社殿や社頭といった場所に置かれる犬に似た獣の像を表すのです。
「狛犬」の言葉の使い方
狛犬は、神社や寺院の入り口等に置かれる想像上の獣の像に対して用いられる言葉となっています。
そんな狛犬の特徴としては、向かって左側に置かれ頭に角があって、口を閉じていたりするのです。
ただし像が造られた時代により角がないものもあるので、神社等にある口が閉じている犬の様な像に対してこの狛犬という言葉が使用されます。
「獅子」とは?
獅子は、ししという読み方をする言葉です。
文字で記されたこの言葉を目にすれば一目瞭然な事ですが、ライオンや動物といった意味を持っている獅の文字に、こどもや物の名に付けたり添えたりする語といった意味を有する子の文字を加える事で完成した言葉となっています。
以上の事から獅子は、ライオンや神社等に置かれる想像上の動物の像といった意味を示します。
「獅子」の言葉の使い方
獅子という言葉は、大きく分けて2つの意味として使用されているのです。
まず1つ目は百獣の王と呼ばれ実在している、ライオンの呼び名として用いられていたりします。
そしてもう1つは神社の入り口等に狛犬と向かい合う形で置かれている、犬に似た実在しない動物の像の事です。
口が開いているのが特徴で、向かって右側に置かれていたりします。
ですが鎌倉時代頃から狛犬の角がなくなり差異が少なくなったのもあり、現在では獅子という言葉を使わずに、左右の像を狛犬と呼ぶ事も多いです。
「狛犬」と「獅子」の違い
狛犬と獅子の文字表記を並べて見比べてみると、全然違う漢字が使われている事に気付く事が出来ます。
所がどちらも漢字2文字で表記可能で、しかも共に神社の出入り口等に向かい合う形で置かれる像で、見た目もかなり似ているため混同してしまう人も少なくありません。
ですが狛犬は、向かって左側に置かれる像で口を閉じているのが特徴だったりします。
一方の獅子は、狛犬と向かい合う形で向かって右に置かれる像で、口が開いているのがポイントです。
更に獅子という言葉は、ライオンという実在の動物を示す意味もあります。
まとめ
2つの言葉に共通する漢字はないものの、どちらも犬の様な姿形をしており、神社に向かい合う形で置かれている像を表す言葉です。
見た目もかなり似ているので、どっちがどっちかで悩んでしまう人が珍しくありません。
ちなみに狛犬は向かって左側に置かれており、口が閉じている上に、中には角が生えているものもあるのです。
対する獅子は、向かって右側に置かれ、角はなく口が開いているという特徴を持っています。
とはいえ鎌倉時代頃から狛犬の角が消え差異が少なくなった事で、現在では左右の像を合わせて狛犬と呼ばれる事も多いです。