この記事では、「駆逐」と「駆除」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「駆逐」と「駆除」の違い
「駆逐」とは、追い払うことです。
「駆除」にも、追い払うことという意味があります。
どちらの言葉も追い払うという点では意味が同じなのですが、何を追い払うのか意味が異なります。
「駆逐」の場合は、害になる恐れのあるものを追い払うことです。
敵、不正な製品などは害を与えるもので、こういったものを追い払うことを「駆逐」といいます。
「駆除」の場合も害になる恐れのあるものを追い払うことなのですが、害虫や雑草を追い払うことです。
害虫は害をあたえる虫と漢字で書くように、人間にとっては害を与える存在です。
雑草が庭に生えていると見栄えが悪い、道で伸び放題だと道幅が狭くなるなど、害を与えているといえるでしょう。
「駆逐」と「駆除」の使い方の違い
害を与えるものを追い払うことに「駆逐」を使用します。
害虫や雑草を追い払うことに「駆除」を使用します。
害虫や雑草も害を与えるものですが、「駆逐」よりも「駆除」を使用することの方が一般的です。
「駆逐」と「駆除」の英語表記の違い
「駆逐」は英語で“expulsion”と表現をします。
「駆除」も英語で“expulsion”と表現をします。
「駆逐」の意味
「駆逐」とは、追い払うことです。
「駆」という漢字には、おいはらうという意味があり、「逐」という漢字には、おう、おいはらうという意味があり、漢字からも「駆逐」の意味がわかります。
「駆逐」が意味する追い払うものは、害を与える恐れがあるものです。
ウイルスに感染をすると発熱や咳などが出ることがあります。
ウイルスは人間にとって害を与える存在だといえるでしょう。
ウイルスは追い払うことが可能です。
害を与える存在を追い払うことであり、ウイルスを追い払うことは「駆逐」といえます。
マッチングアプリでは、利用規約に違反する行為を行う人がまれにいるようです。
利用規約に違反する人は、他の利用者に害を与える存在といえます。
パトローラーはマッチングアプリを巡回し、違反者を探しだしており、見つけた場合には利用停止にしたり、退会をさせたりします。
これも害を与えるものを追い払う、つまり「駆逐」しているといえます。
「駆逐」の使い方
害を与える恐れがあるものをそこにこないようにすることについて使用をします。
おっぱらうともいいます。
人間社会には、害を与える恐れがあるものがさまざまあります。
そのため、広い範囲で使用されています。
「駆逐」を使った例文
・『外来生物を駆逐する』
・『不適切な飼育をしているブリーダーを駆逐する』
・『喫煙者が駆逐されつつある』
・『不正に製造されていた製品を市場から駆逐する』
「駆逐」の類語
「追放」「放逐」「掃討」「駆除」が類語です。
「追放」には、不要なものや悪いものを追い払う、危険な人や不法に侵入した人を国の外に出すという意味があります。
「放逐」とは、そこから追い出すことです。
「掃討」とは、好ましくないものをすべて追い払うことです。
「駆逐」の対義語
「残留」が対義語です。
なくならずに残っているという意味があります。
「駆除」の意味
「駆除」とは、追い払うことです。
「除」という漢字には、のぞく、とりさる、はらうという意味があります。
「駆除」が意味する追い払うものとは、害虫、雑草、害獣などのことです。
害虫とは、人間にとって都合がよくない昆虫、害を与える昆虫のことです。
害虫といわれる昆虫には、アオムシ、アゲハ類の幼虫、ヨトウムシ類、ハムシ類、ムカデ、ナメクジ、シロアリなどがあります。
人間にとっては害を与える存在ですが、落ち葉や枯れ枝などを分解する、生態系にとっては大切な存在です。
雑草は、家畜が食べると病気を起こす、作物の収穫の妨げになるなど、人間にとって害を与えることがあります。
しかし、雑草は昆虫などのエサになる、二酸化炭素を吸収するなど、悪い面ばかりではありません。
害獣とは、人間に害を与える動物のことで、イタチ、タヌキ、イノシシなどがあります。
生態系全体から見たことではなく、人間にとって害になるという意味です。
「駆除」の使い方
害虫や雑草などをそこならなくすことについて使用をします。
虫の「駆除剤」と呼ばれるものがありますが、これは人間にとって害になる昆虫をそこからなくすための薬剤です。
「駆除」を使った例文
・『ゴキブリを駆除する』
・『業者に駆除を依頼する』
・『駆除のための仕掛けを設置する』
・『駆除するのが難しい』
「駆除」の類語
「追放」「放逐」「掃討」「駆逐」が類語です。
「駆除」の対義語
「残留」が対義語です。
まとめ
追い払うという意味が共通している2つの言葉ですが、何を追い払うのかという点で意味が違う言葉です。
追い払うものが違うので、使われる場面も違います。