「苦労」と「苦悩」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「苦労」と「苦悩」の違い生活・教育

この記事では、「苦労」「苦悩」の違いを分かりやすく説明していきます。

「苦労」と「苦悩」の違い

「苦労」「苦悩」の違いについて紹介します。


「苦労」と「苦悩」の使い方の違い

「苦労」は、「実際に身体を動かして働いた時の辛さ」に使われます。

精神的なものよりも「労働する苦しみ」という意味の強い言葉です。

「苦悩」は、「頭であれこれ考えてまとまらない時の辛さ」に使われます。

身体的な辛さよりも「悩む苦しみ」という意味の強い言葉です。


「苦労」と「苦悩」の英語表記の違い

「苦労」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「hardship」「苦難」「苦労」という意味です。

“Last year was a year of hardship for me. ~
(去年は私にとって苦労の一年だった)
2つ目は「struggle hard」で、「苦しい戦いをする」「ひどくもがく」「ひどくあがく」という意味です。

“I was struggling hard topay back my debt.”
(私は借金の返済に苦労した)
「苦悩」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「agonise」で、深刻な問題に対して「苦痛を感じる」「苦悶する」という意味です。

“I agonised over the decision.”
(私は決断するのに苦悩した)
2つ目は「distress」「困難」「苦悩」という意味です。

“She is a great distress to her partner.”
(彼女は配偶者にとって大きな苦悩となる存在だ)

「苦労」の意味

「苦労」「くろう」と読み、以下の3つの意味があります。

1つ目は「精神的にも肉体的にも力を尽くして、辛い思いをすること」です。

精神的に追い詰められるだけではなく、実際に様々な肉体的に労働をして、身体が疲れ切ることを言います。

2つ目は「人に世話になること」という意味で、自分の為に他人が辛い思いをすることを言います。

3つ目は「ねぎらいの言葉」という意味で、ビジネスで部下に対して使う言葉です。

上記に共通するのは「労働して疲れることを表す」という意味です。

「苦労」の使い方

「苦労」は、「労働することで身体が酷く疲れること」に使われます。

「苦労する・した」と助動詞を伴って使われたり、「苦労して」と使われたりします。

「苦労をかける」「苦労が絶えない」など、自分だけではなく人が辛い思いをしている時にも使われる言葉です。

「苦労」を使った例文

・『彼女は結婚した直後から苦労が絶えない毎日だった』
・『私たちは長い間苦労を共にしてきた仲間だ』
・『苦労して育てた子供がついに独り立ちしてくれた』
・『親にはずいぶん苦労をかけたので恩返ししたい』
・『上司から珍しく「ご苦労さま」と言われた』

「苦労」の類語

「苦節(くせつ)」
「苦しくても負けずに、自分が持っている信念を最後まで固く守り通すこと」という意味です。

「下積み(したづみ)」
「他の荷物の下に積まれること」から転じて「いつまでも下っ端のままで出世できないこと」という意味です。

「苦労」の対義語

「安楽(あんらく)」「肉体的に苦痛がなく、精神的に楽なこと」という意味です。

「苦悩」の意味

「苦悩」「くのう」と読みます。

意味は「ものごとがうまくいかず、どうしたら良いのかあれこれと迷って苦しむこと」です。

頭で色々考えも良いアイデアが浮かばずに、精神的に辛い思いをすることを言います。

全く行動しないと言う訳ではありませんが、「うまくいかないことに対して悩んで苦しい思いをすること」をメインにした言葉です。

「苦悩」の使い方

「苦悩」「ものごとがうまくいかずに、悩んで苦しい思いをすること」に使われます。

「苦悩する・した」「苦悩を抱える・抱えた」などと使われたり、副詞として「苦悩して」と使われたりします。

基本的に自分が思い詰めて辛い様子を表す言葉で、他人から見てすぐに判断できるものではありません。

「苦悩」を使った例文

・『彼は双方からの板挟みに合い、どちらの味方もできずに苦悩した』
・『彼女は婚活がうまくいかずに、周囲からあれこれ言われて苦悩していた』
・『あのミュージシャンはスランプに陥って苦悩したらしい』
・『ベートーベンは苦悩を抱えながら名曲を書き上げた』
・『彼は親を取るべきか恋人を取るべきかで苦悩している』

「苦悩」の類語

「憂慮(ゆうりょ)」
「非常に心配してあれこれと考えること」という意味です。

「苦悶(くもん)」
「精神的・肉体的に辛い思いをして、じっとしていられないこと」という意味です。

「苦悩」の対義語

「楽観(らっかん)」
「ものごとが好ましい状態になるだろうと、よい方に考えて何も心配しないこと」という意味です。

まとめ

今回は「苦労」「苦悩」について紹介しました。

「苦労」「精神的、肉体的に疲れて辛いこと、「苦悩」「あれこれ悩んで辛いこと」と覚えておきましょう。