難しい漢字で、しかも、似たような漢字となると読み方も意味も区別できないことがよくあります。
この記事では、「騙る」と「驕る」の違いを分かりやすく説明していきます。
「騙る」とは?
「騙る」の読み方は「かたる」です。
真実を話す、もっともらしく話す、といった「語る」と同じ読み方で、意味も、その「語る」からきています。
もっともらしく巧みに話しかけるといった意味から、金品をだまし取る、地位や名前を偽る、詐称する、といった意味となります。
言葉巧みに話しかけ、相手を安心させ騙す行為や名前や地位を偽ることが「騙る」となります。
言い換えれば、「化かす」や「いんちき」、「だまし込む」、「まやかす」などと同じです。
「騙る」の使い方
「騙る」は、「他人を騙る」や「大金を騙られる」、「有名人を騙る」、「職業を騙る」などといった形で用います。
「驕る」とは?
「驕る」の読み方は「おごる」です。
思い上がった振る舞いをすることを意味します。
自分が持つ、地位や権力、財産、才能などを単に誇るだけではなく、誇り思い上がった振る舞いをすることを「驕る」と言います。
自分が持つ地位などを鼻にかけて、人に嫌われるような行為を行うこと、見下すこと、そのものが「驕る」です。
確かにその人が持つものに間違いはありませんが、それを自慢するような行為、他人を見下すような行為となるため、周りを不愉快にさせる行為でもあります。
言い換えれば、「傲慢」や「思い上がる」、「調子に乗る」、「図に乗る」、「自信過剰」などと同じです。
「驕る」の使い方
「驕る」は、「驕りがある」や「驕りを捨てる」、「驕らずに」、「驕れるもの」などといった形で用います。
「騙る」と「驕る」の違い
「騙る」と「驕る」は、読み方も意味も異なる言葉です。
「騙る」には、金品をだまし 取る、といった意味に加え、地位や名前を偽るといった意味があります。
あくまでも、「騙る」の場合、実際に地位などない状態を指します。
それに対し、「驕る」の場合は、本当に地位などを持っており、その地位などを誇って、思い上がった振る舞いをすることを意味します。
その点を勘違いしてはいけません。
「騙る」の例文
・『高齢者を対象に息子を騙る詐欺が増えてきているので、実家の母が心配です』
・『社名を騙った架空請求に騙されそうになった』
・『知人にまんまと、大金を騙られてしまいました』
・『一度、知り合いに大金を騙られた父は、凝りもせずに、また、別の知り合いに大金を騙られてしまいました』
「驕る」の例文
・『本当に地位のある人ほど、驕るようなことはしない』
・『私の友達は、お金持ちで有名な家の娘でしたが、少しも驕ることはなかった』
・『彼は、すぐに驕った態度を取るので、好きではありません』
・『昔の地位や名誉をいつまでも驕っているような人は、老人会や老人ホームなどで嫌われる傾向にあります』
まとめ
以上のように、「騙る」と「驕る」は、読み方も意味も全く異なった言葉となります。