「並々ならぬ」と「ひとかたならぬ」は、異なった意味なのか。
この記事では、「並々ならぬ」と「ひとかたならぬ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「並々ならぬ」とは?
「並々ならぬ」には、よくも悪くもないこと、ごく一般的であること、といった意味を持つ「並」が用いられています。
そのことから意味は、並大抵ではない、うわべだけではない、などといった意味となります。
言い換えれば、「過分の」や「多大な」、「格別の」、「並外れた」などと同じです。
「並々ならぬ」の使い方
「並々ならぬ」を用いた言葉はたくさんあります。
「並々ならぬご愛顧」や「並々ならぬご支援」、「並々ならぬご高配」、「並々ならぬご指導ご鞭撻」、「並々ならぬ想い」、「並々ならぬ努力」などといった形で用います。
「ひとかたならぬ」とは?
「ひとかたならぬ」は、漢字で「一方ならぬ」と書きます。
この「一方」には、程度が一般的であるという意味があり、そこに打消しの「ぬ」が付いた「ひとかたならぬ」は、普通ではない、尋常ではない、並々ではない、などといった意味になります。
言い換えれば、「一通りではない」や「レベルが違う」、「桁違いの」、「常識では測れない」などと同じです。
「ひとかたならぬ」の使い方
「ひとかたならぬ」を用いた言葉は、たくさんあります。
「ひとかたならぬお心遣い」や「ひとかたならぬご尽力」、「ひとかたならぬお力添え」、「ひとかたならぬご支援」などといった形で用います。
「並々ならぬ」と「ひとかたならぬ」の違い
「並々ならぬ」、「ひとかたならぬ」どちらも、普通以上、を意味します。
並大抵ではないことがあった際に「並々ならぬ」と「ひとかたならぬ」が用いられます。
そのうえで、「並々ならぬ」は、自分に対しても他人に対しても用いることが可能ですが、「ひとかたならぬ」の場合は、自分に対して用いることはできません。
他人に対してのみ用いることができる言葉となり、その点の違いに注意する必要があります。
「並々ならぬ」の例文
・『並々ならぬご指導ご鞭撻のお陰で、今の私があります』
・『卒団したOBから並々ならぬご支援を頂く事で、今でも少年団を続けることができています』
・『メダルを取るまで、並々ならぬ努力があったことと思います』
・『新商品開発までに、並々ならぬ努力がありました』
「ひとかたならぬ」の例文
・『ひとかたならぬお力添えのお陰で、無事に困難を乗り切ることができました』
・『コーチには、ひとかたならぬお世話を頂き感謝しております』
・『みなさまより、ひとかたならぬお心遣いを頂いたことは忘れません』
・『この件に関し、ひとかたならぬご苦労様を頂き、感謝の気持ちでいっぱいです』
まとめ
意味は同じでも、用いる相手によって使い分ける必要がある「並々ならぬ」と「ひとかたならぬ」。
そのため、誰に対して用いるのか、まず初めにそのことを考え使い分けることが大切です。