この記事では、「翻意」と「本意」の違いを分かりやすく説明していきます。
「翻意」とは?
「翻意」とは一度心に決めたことを突然変えることです。
意は心に決めたこと、いわゆる決意を意味して、翻は裏返しにする、急に変えるという意味があります。
そのため意に決したことを急に変えるという意味になるのが「翻意」です。
ただし周囲から見て突然態度を変えた、急に決心が変わったように見えるだけで、本人としては前々からそうしたいと思っていた場合などでも「翻意」であり、本人にとって急な心変わりとは限りません。
それまでの真面目な態度から一転して不真面目な態度になったり、誰かに仕えている人が下剋上をする企みのことも「翻意」と呼ばれます。
またそれまで悪かった状態から良い状態に変化する、一念発起のような状況は「翻意」とは言わず、良い状態だったのに心変わりして悪い状態になる場合に使われる事が多い言葉です。
ただし悪い決心を取りやめるように説得することを「翻意」を促すとも言うので、悪いニュアンスで使われる事が多いと言っても、良い方向性のために使われることもあります。
「本意」とは?
「本意」とは本当に心のなかで思っていることや、本当はこうしたいという願いです。
生活の上で人はほとんど常になんらかの行動をとっていますが、それらは心からやりたいと思っていることもあれば、やりたくないけど仕方なくという場合もあります。
そのように本当はどう思っているか、どう考えているかが「本意」です。
誰かに行動の上では忠実に仕えている人が、仕えることを喜びや名誉だと思っていても、本当は嫌々だけどお金や立場のために従っているとしても、どちらも「本意」に違いありません。
その人がどう思っているかだけでしかないので、「本意」が良いこともあれば悪いこともあります。
そのため言葉自体にも善悪や良し悪しのニュアンスは全く含まない言葉です。
「翻意」と「本意」の違い
「翻意」と「本意」の違いを、分かりやすく解説します。
以前の決心とはまるで違う方向に心変わりすることが「翻意」で、本当に心の中で思っていたことが「本意」です。
「翻意」は心持ちが最初とは変わっていますが、「本意」は心持ちが最初から最後まで変わっているとは限らず、最初から一貫していることもあります。
「翻意」は悪いニュアンスを含んだ言葉として扱われることが多いですが、「本意」は悪いニュアンスも良いニュアンスも一切含みません。
また「翻意」は考えを改める、心変わりをするという心の動きや変化を指す言葉ですが、「本意」は本当に思っていることや考えなどの気持ちや心そのものを指す言葉です。
まとめ
「翻意」は前の決心や行動とは別の方向性に心変わりすることで、「本意」は本当の心の内を指す言葉です。
しかし以前から「本意」ではないことを強要された結果「翻意」を起こしたことを、「本意」に従ったなどと表現することもあるので、そういった使い方が混同を招いています。