「禁止」と「禁忌」と「厳禁」の違いとは?分かりやすく解釈

「禁止」と「禁忌」と「厳禁」の違い生活・教育

「禁止」「禁忌」「厳禁」は、「禁」を含むところが共通していますが、どのような違いがあるのでしょうか。

この記事では、「禁止」「禁忌」「厳禁」の違いを分かりやすく説明していきます。

「禁止」とは?

「禁止」【きんし】とは、ある行為が差し止められている状態、あるいは、ある行為を「してはいけない」と命じることです。

漢字の「禁」「止」はどちらも「さしとめる」「とどめる」という意味があり、これらの漢字を組み合わせた「禁止」は、ある行為をしないよう強い力で差し止めている状況を表しています。

一般には、道徳的ではない行為、危険な行為、実施すると過失をもたらすような行為が「禁止」の対象になります。

法律や規約で「禁止」されている行為は遵守しなければなりません。

「禁止」されている行為を行うと、事故や過失を招いたり、違反を犯したとして罰せられたりする可能性があります。


「禁止」の例文

・『髪を染めることは校則で禁止されている』
・『橋から川に飛び込む行為を危険なので禁止した』


「禁忌」とは?

「禁忌」【きんき】とは、宗教的、道徳的にしてはいけないとされる決まり事、あるいは、医療で用いると悪影響を及ぼすことが予想される治療法や調剤、患者のことです。

漢字の「禁」には良くないものを避ける、差し止めるという意味があり、「忌」には縁起の良くないものを嫌う、好ましくないものを避ける、という意味があります。

これらの漢字を組み合わせた「禁忌」は、都合の良くないものを嫌って避けるニュアンスを持ちます。

宗教的、道徳的にしてはいけない「禁忌」「タブー」と呼ばれることもあり「この習慣をしてはいけない」「その話題に触れるのは良くない」といったさまざまなルールが存在しています。

医療上の「禁忌」「特定の治療法や調剤の使用をしてはいけない」とされる状況です。

「禁忌」の例文

・『葬式で縁起の悪い言葉を使うことは禁忌とされている』
・『糖尿病の患者にその薬を使うことは禁忌とする』

「厳禁」とは

「厳禁」【げんきん】とは、ある行為を「絶対にしてはいけない」と厳しく命じることです。

これは、読んで字のごとく「厳」しく「禁」じることを指しています。

そもそも「厳しい」には「少しの余裕も許さない」という意味があり、「厳禁」は少しでも許すことなく「絶対してはいけない」と禁じる状況を表しています。

「してはいけない」と命令するのが「禁止」ですが、「厳禁」はその「禁止」よりもさらに厳しく「絶対にしてはいけない」と差し止める状況となります。

もし禁じなければ重大な事故や過失の起こることが明白な状況に対し「厳禁」の命令が下されます。

「厳禁」の言葉の使い方

・『衛生上の観点から、室内では土足厳禁をお願いしている』
・『危険物を取り扱う現場では火気厳禁がルールになっている』

「禁止」と「禁忌」と「厳禁」の違い

「禁止」「禁忌」「厳禁」はいずれも「禁ずること」を笑わしていますが、禁じ方やその度合いが異なります。

「禁止」「してはいけない」と禁じること、さらに厳しく「絶対にしてはいけない」と禁じるのが「厳禁」です。

「禁忌」は、行うと悪い結果を及ぼすとされる行為をいみ嫌ったり制限したりすることです。

比べてみると、言葉の意味合いが少しずつ違っています。

まとめ

「禁止」は禁じること、「禁忌」は良くない行為を避けること、「厳禁」は厳しく「禁止」することです。

意味はそれぞれ異なるので、場面に合わせて適切に使い分けていきましょう。