この記事では、「他者」と「他人」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
他者と他人の違い
「他者」とは、自分以外の人のことです。
「他人」は自分以外の人という意味の他に、血縁関係にない人、その事柄に関係がない人という意味もあります。
複数の意味を持っているのは「他人」の方です。
「他者」は自分以外の人のことなので、上司、部下なども「他者」であり、父、母、姉、兄、妹、弟なども「他者」です。
血縁関係であっても、自分ではないので父や母なども「他者」になります。
「他人」という場合は、父、母など血縁関係にあるものも「他人」に含めることもあれば、血縁関係にあるものは「他人」としないことがあります。
他者と他人の使い方の違い
どちらの言葉も自分以外の人を指す場合に使います。
自分以外の人のことを指すとき、広く使えるのは「他者」です。
家族も、職場や学校でかかわりのある人も、全く面識がない人も、自分以外なので「他者」といえます。
「他人」は狭義の意味では家族以外の自分以外の人を指すので、家族については「他人」といわないことがあります。
他者と他人の英語表記の違い
「他者」は英語で“another person”や“others”と表記をします。
「他人」は英語で、血のつながりのない人という意味では“unrelated person”、自分以外の人という意味では“another person”や“others”、見知らぬ人という意味では“stranger”と表記をします。
他者の意味
「他者」とは自分以外の人のことです。
自分とは、わたしのことです。
わたしでなければ、すべて「他者」になります。
たとえ血のつながりがある家族でも、自分ではありません。
そのため、血のつながりがあっても「他者」です。
もちろん、血のつながりがない人は「他者」です。
普段から頻繁にかかわりがある人、親しみを感じている人でも自分ではないので「他者」といえます。
「わたし」でない人はすべて「他者」なのです。
他者の使い方
自分以外の人を指すときに使います。
自分以外の人といっても対象となる人は数多いため、漠然としています。
そのため、漠然とした自分以外の人を指す場合に使うことが多いです。
「他者の心理」といった使い方をしますが、この場合特定の誰かを想定してるのではなく、漠然とした自分ではない人のことを指しています。
Aさんという友達がいます。
このAさんのことをBさんがCさんに話そうと考えました。
Bさんにとっても、CさんにとってもAさんは「他者」です。
しかし、CさんにAさんのことを話すときに「他者」という言葉は使用しません。
特定の誰かがいる場合には使わない言葉です。
他者を使った例文
・『他者の気持ちに配慮する』
・『他者との接触をできるだけ避ける』
・『他者への配慮が欠けている』
・『他者の視点に立ってみる』
・『他者を見下す』
他者の類語
「他人」が類語です。
他者の対義語
「自分」が対義語です。
他人の意味
「他人」には、3つの意味があります。
1つめは、自分以外の人のことです。
家族も、職場の人も、友達も、すべて「他人」です。
2つめは、血縁関係にない人のことです。
血縁関係とは、血のつながりのことで、両親、兄弟姉妹などのことを指します。
養子も血縁関係に含まれます。
3つめは、その事柄に関係ない人のことです。
道路で自動車とバイクの衝突事故がありました。
幸い、怪我をした人はいませんでした。
自動車を運転している人、バイクを運転している人以外の人にとっては、この事故は関係ありません。
このような関係ない人が「他人」です。
他人の使い方
自分以外の人を指して広い意味で「他人」と使われることもあれば、家族以外を指して「他人」と使われることもあります。
「他人」には血縁関係にないものという意味があるため、家族に対して「他人」とい言葉を使うと不快な思いをさせることがあります。
不快に感じる人にとっては、家族は決して「他人」ではないのです。
他人を使った例文
・『他人に口出しされたくない』
・『他人は何を考えているのかわからない』
・『他人扱いされるなんて悲しい』
・『他人の力に頼る』
・『あなたのことは他人だと思っていない』
他人の類語
「第三者」が類語です。
「第三者」とは、自分を含めた当事者以外の人を意味します。
化粧品やサプリメントの広告では「第三者機関の検査済み」という言葉をよく目にします。
これが意味する「第三者機関」とは、化粧品やサプリメントを製造・販売する企業や人とは全く関係がなく、利害関係もない機関のことを指しています。
他人の対義語
「自分」が対義語です。
まとめ
自分以外の人のことは「他者」「他人」です。
2つの言葉の違いは、「他人」には家族が含まれないこともある点です。
「他人」には、複数の意味があります。