「布石を置く」と「伏線を張る」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「布石を置く」と「伏線を張る」の違い生活・教育

この記事では、「布石を置く」「伏線を張る」の違いを分かりやすく説明していきます。

「布石を置く」と「伏線を張る」の違い

「布石を置く」「伏線を張る」の違いについて紹介します。


「布石を置く」と「伏線を張る」の使い方の違い

「布石を置く」は、「将来に備えて段取りを整えて、ものごとを計画通りに進める様にすること」に使います。

先のことを考えて事前に手配を済ませることを表す言葉です。

「伏線を張る」は、「後に起きることを、前もって知らせておくこと」に使います。

物語で、後に起きることについて前の段階でほのめかすことを表す言葉です。


「布石を置く」と「伏線を張る」の英語表記の違い

「布石を置く」の英語表下には以下の2つがあります。

1つ目は直訳で「lay the foundations」で、「基礎を作っておく」というニュアンスです。

“He keeps in mind to lay the foundations for future.”
(彼はいつも将来の為に布石を置く様に心得ている)
2つ目は「preparation」「用意する、準備する」という意味です。

“I made preparation for the future problems.”
(将来問題が起きるだろうと布石を置いておいた)
「伏線を張る」は、英語で「foreshadow」 で、「あらかじめ示す」という意味です。

“This story has a lot of important foreshadowing.”
(この物語には数多くの重要な伏線が張られている)

「布石を置く」の意味

「布石を置く」「ふせきをおく」と読み、以下の2つの意味があります。

1つ目は元の意味で、「囲碁で、序盤のうちに後のことを考えて重要な位置へ石を置いておくこと」です。

重要な部分に自分の石を配置しておき、終盤に有利に進めていくことを表します。

2つ目は上記から転じて「将来の為に必要な場所に備えをしておくこと」という意味です。

計画をスムーズに進める為に、先のことを考えて出来る準備をしておくことを言います。

例えば、ビジネスを成功させる為に、関連会社に自分達の味方となる人材を出張や派遣などで送り込んでおいたり、プロポーズを成功させる為に、既婚者の友人から恋人に「結婚は良いものだ」と幸せそうに語っても貰うなどがあります。

「布石を置く」の使い方

「布石を置く」は、「前もって準備をしておくこと」に使います。

「布石を置く」の他に「布石を打つ」「布石となる」などと使われることもあります。

元は「布石」「~を置く」が組み合わせ去った言葉ですので、動詞の使い方は比較的自由度が高くなります。

「布石を置く」を使った例文

・『プロジェクトを成功させる為に布石を置く』

・『失敗してもすぐに挽回できる様に布石を置いておく』

・『プレゼンで突っ込まれてもいい様に布石を置いておく』

・『自分に投票して貰える様に布石を置く』

・『今月中に契約を取り付けられる様に布石を置く』

「布石を置く」の類語

「根回しする(ねまわしする)」
ものごとを上手く進める為に、あらかじめ手を打っておくことを言います。

「お膳立てする(おぜんだてする)」
すぐに取り掛かれる様に準備しておくことを言います。

「布石を置く」の対義語

「無防備(むぼうび)」
危険や災害に対する備えが全くないことを言います。

「伏線を張る」の意味

「伏線を張る」「ふくせんをはる」と読み、以下の2つの意味があります。

1つ目は元の意味で、「物語などで、後で出てくる事柄に関係があるものを、前の部分でほのめかしておくこと」です。

後から真実が分った時に「あれはそういうことだったのか」と思うエピソードのことです。

2つ目は上記から転じて「日常で、後から分かる様に密かに進めておくこと」という意味です。

あるものごとがうまくいく様に密かに同時進行させておき、後から相手に分かる様にすることを言います。

「伏」「ふせる」とも読み、「伏線」「線を見せない様にしておくこと」、つまり「うまくものごとが進む様に、見えない様に線を引いておくこと」というニュアンスです。

「伏線を張る」の使い方

「伏線を張る」は、「物語で後から納得するエピソード」「ものごとがうまくいく様に密かに準備を進めておくこと」に使われます。

「伏線」「~を張る」を組み合わせた言葉で、「伏線を敷く」とも使われます。

「布石を置く」の様に後で役立てるのではなく、同時進行させておき後で「そうだったのか」と思わせることを表します。

「伏線を張る」を使った例文

・『この物語は犯人の手掛かりとなる伏線が張られている』

・『なぜあの場面と思ったが、伏線を張っていたのか』

・『伏線を張り過ぎて話が中だるみしている』

・『後で疑われない様にちゃんと伏線を張っておこう』

・『相手が断ってきた時の為に伏線を張っておく』

「伏線を張る」の類語

「暗示する(あんじする)」
ものごとをハッキリとではなく、手がかりを与えるなどしてそれとなく知らせることを言います。

「伏線を張る」の対義語

「無策(むさく)」
何も方法や対策などを考えないことを言います。

まとめ

今回は「布石を置く」「伏線を張る」について紹介しました。

「布石を置く」「先のことを考えて準備しておく」「伏線を張る」「後で分かる様に準備しておく」と覚えておきましょう。