この記事では、「貧乏」と「貧困」の違いを分かりやすく説明していきます。
「貧乏」と「貧困」の違い
「貧乏」と「貧困」の違いについて紹介します。
「貧乏」と「貧困」の使い方の違い
「貧乏」は、「お金がない状態そのもののこと」に使います。
一時的な状態であったり、または本人がさほど困っていない場合もあります。
「貧困」は「お金がない状態から抜け出せずに苦しんでいること」に使います。
長期間に渡りお金がなく苦しい状態が続き、精神的に追い詰められている状態です。
「貧乏」と「貧困」の英語表記の違い
「貧乏」の英語表現は「poor」で、「貧しい」「哀れな」というニュアンスです。
“I was poor when I was a child.”
(私は子供の頃貧乏だった)
「貧困」の英語表現は「pverty」で、日本語と同じく「貧困」という意味です。
“People has been in poverty because of the war.”
(人々は戦争により貧困に陥っている)
「貧乏」の意味
「貧乏」は「びんぼう」と読みます。
意味は「収入や貯金、財産などが極端に少なく、生活が苦しい状態」です。
その人がお金がない状態になっていることを表す言葉で、持続的、一時的など期間については含まれていません。
つまり、生れてからずっと「貧乏」なこともあれば、失業して一時的に「貧乏」になることもあり、努力しだいで「貧乏」から脱却することが可能なのです。
「貧乏」はお金がないだけで、自分では特に苦労を感じていない場合もあります。
あくまで本人の自覚によるもので、生きるか死ぬかのギリギリの状態ではなく、「自由になるお金がない」だけでも「貧乏」と言う人もいます。
また、後になってお金持ちになった時に初めて「あの頃は貧乏だった」と感じる人もいます。
「貧乏」の使い方
「貧乏」は、「手元にお金がない状態」に使われる言葉です。
また、実際にお金がない状態だけではなく、精神的、または環境的に満ち足りていない時にも使われます。
「器用貧乏」は、「何でも卒なくこなせてしまうのですが、その為に数多くのものごとに手を出し過ぎてしまい、一つのことを大成出来ない人」という意味です。
「貧乏くじ」は、「大勢の中で特に不利な役が回って来てしまうこと」という意味です。
「貧乏」を使った例文
・『貧乏暇なしと言うが、バイト掛け持ちでも生活が苦しい』
・『コロナ禍で失業して一気に貧乏になった』
・『貧乏だが家族揃って楽しく過ごしている』
・『今考えると小さい頃は貧乏な世帯が多かった』
・『今貧乏状態なので飲み会は参加できない』
「貧乏」の類語
・「無一文(むいちもん)」
手元に現金が全くない状態のことです。
・「食うや食わず(くうやくわず)」
お金がなくて、毎日の食べる物にも困っている状態のことです。
「貧乏」の対義語
・「裕福(ゆうふく)」
財産に余裕があり、普通の人よりも贅沢に暮らしている様子のことです。
「貧困」の意味
「貧困」は「ひんこん」と読み、以下の2つの意味があります。
1つ目は「貧しくて今の生活に困っている様子」という意味です。
お金がない状態で、しかも困っていると感じていることを表します。
2つ目は「大切な物が掛けていたり、足りないこと」という意味です。
お金だけではなく、精神的なものや考え方などを表します。
上記に共通するのは「大切なものがないことにより、苦痛を感じている状態」という意味です。
「貧困」は、基本的に一時的なものではなく「お金がない状態が慢性化していること」を表します。
お金がない状態から抜け出せずに、精神的に苦痛な状態を強いられる時に使われます。
「貧困」は、自分が努力しても改善するとは限らず、外的要因を改善しない限り抜け出すのが難しい時に使われることが多くなります。
「貧困」の使い方
「貧困」は、「お金がなくて辛く、苦しいと思い、そこから抜け出せない状態」に使います。
普通の生活ができず、その状態が長く続いて先が見えないことを表します。
また、実際にお金がないだけではなく、「必要なものが欠けていて困っている状態」にも使われます。
「想像力の貧困」は、「ものごとを考える力が足りずにうまく行動できない」という意味です。
「政策の貧困」は、「政治家がその問題に適した政策を立てられない状態」という意味です。
「貧困」を使った例文
・『貧困に陥っている国に支援物資を送る』
・『貧困家庭に育ったが、今ではまともに暮らせている』
・『日本にはまだ貧困層の人が数多くいる』
・『この貧困状態から抜け出すには自治体の支援が必要だ』
・『貧困な知識でものごとが悪化する一方だ』
「貧困」の類語
・「困窮(こんきゅう)」
貧しい為に生活に困り果てることです。
・「生活苦(せいかつく)」
収入がなく、生活に困り果てることです。
「貧困」の対義語
「富裕(ふゆう)」
財産が多くあり、生活が豊かなことです。
まとめ
今回は「貧乏」と「貧困」について紹介しました。
「貧乏」は「お金がない状態そのもののこと」、「貧困」は「お金がない状態から抜け出せずに苦しんでいること」と覚えておきましょう。