「興じる」と「転じる」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「興じる」と「転じる」の違い生活・教育

この記事では、「興じる」「転じる」の違いを分かりやすく説明していきます。

「興じる」と「転じる」の違い

「興じる」「転じる」の違いについて紹介します。


「興じる」と「転じる」の使い方の違い

「興じる」は、「あるものごとに楽しんで過ごす様子」に使われます。

仕事以外で、趣味や遊びなどに夢中になり、夢中になる様子を言います。

「転じる」は、「ある状態から別の状態に変化すること」に使われます。

それまでの物や方向性とは違う物や方向性に変わることを言います。


「興じる」と「転じる」の英語表記の違い

「興じる」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「enjoy」で、「楽しむ」「興じる」という意味、「エンジョイ」と日本語にもなっています。

“Children enjoy playing online games at home.”
(子供達は自宅でオンラインゲームに興じている)
2つ目は「have fun」「楽しみを持つ」というニュアンスで、口語的な表現です。

“They had fun to play card games.”
(彼等はカードゲームに興じた)
「転じる」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「turn」で、「回る」「転換する」という意味です。

“Our profit tuned into an increase.”
(我社の利益が増加に転じた)
2つ目は「change」で、「変わる」「転じる」という意味です。

“She changed her job from secretary to sales.”
(彼女は仕事を秘書から営業に転じた)
因みに、「災い転じて福となす」は以下の通りです。

“Good comes out of evil.”
(悪いものから良いものが出る=災い転じて福となす)

「興じる」の意味

「興じる」「きょうじる」と読みます。

意味は「あるものごとを面白いと思い、楽しく過ごすこと」です。

自分で興味があることに熱中して、愉快に思って過ごすことを言います。

「興じる」は、「興ずる」とも書き、動詞「興ず」の終止形になります。

「興ずる」は昔使われていた古い表現で、辞書には載っていないことが多くなりますが、どちらを使っても間違いではありません。

「興じる」の使い方

「興じる」は、「あるものごとを面白いと思い、熱中して楽しく過ごすこと」に使われます。

動詞として「興じる・興じた」と使われたり、「興じて」と副詞として使われたりします。

「興じる」は、仕事以外で趣味や自分の興味があることなど、娯楽に対して使われる言葉です。

この言葉自体は純粋に楽しむ様子を表していて特に悪い意味はありません。

ただし、その後に悪い結果を表す言葉が続くことで、その原因を表すネガティブな意味になることもあります。

「興じる」を使った例文

・『給湯室でついおしゃべり興じてしまい、上司から怒られてしまった』
・『彼女は休日になるとほぼ一日中オンラインゲームに興じているそうだ』
・『彼は土日の夜はバンド活動に興じているらしい』
・『保護者会に参加したらママ友同士で噂話に興じていた』
・『平日の公園では高齢者達が囲碁や将棋に興じている』

「興じる」の類語

「耽る(ふける)」
「あるものごとに夢中になる様子」という意味です。

「彼は休日になると朝から晩まで動画の作成に耽っている」などと使われます。

・「溺れる(おぼれる)」

「水の中で泳げなくなり死にそうになること」から転じて「理性を失うほどあるものに夢中になること」という意味です。

「彼女はホストクラブ通いに溺れて多額の借金を作ったらしい」などと使われます。

「興じる」の対義語

「嫌気が差す(いやけがさす)」
「それまで好きだったものい対して嫌だと思う様になること」という意味です。

「カレーが好きだと言ってもさすがに毎日では嫌気が差す」などと使われます。

「転じる」の意味

「転じる」は、「てんじる」と読み、以下の2つの意味があります。

1つ目は「それまでの状態や方向が移ったり変わったりすること」という意味で、違う方向や状態に変化することを言います。

2つ目は「ころがる」という意味で、物が回る様子を言います。

「転じる」「興じる」同様、「転ずる」が変化した言葉です。

「転ずる」は古い表現で、現在では「転じる」が使われることが多くなっていますが、どちらを使っても間違いではありません。

「転じる」の使い方

「転じる」は、「それまでとは違った状態や方向に変わること」に使われます。

「転じる・転じた」と動詞として使われたり、副詞として「転じて」と使われたりします。

対象となるのは目に見えるものだけではなく、目に見えない「考え」「やり方」なども含まれ、日常的なことからビジネスまで幅広く使える言葉です。

どちらかと言えば、微妙に変化することよりも、大きく変化してそれが周囲にもはっきりと分かる様子を表しています。

「転じる」を使った例文

・『コロナ禍で会社の業績が去年の黒字から一気に赤字に転じた』
・『彼女はいきなりモデルから看護師へと身を転じた』
・『細身だった彼が、結婚してからぽっちゃりに転じてしまった』
・『最初は単なる好奇心だったが、転じて本格的な趣味になってしまった』
・『一度中止して仕切り直したことがプラスに転じた様だ』

「転じる」の類語

「発展する(はってんする)」
「それまでの状態よりも成長して大規模になること」という意味です。

「この企業は将来的に益々発展することが見込まれる」などと使われます。

「広がる(ひろがる)」
「幅や規模が大きくなること」という意味です。

「彼女と知り合ったことで交友関係が一気に広がった」などと使われます。

「転じる」の対義語

「不変(ふへん)」
「それまでと変わらずに、ある状態をずっと保つこと」という意味です。

「彼の態度は常に不変で全くこちらに歩み寄ろうとしない」などと使われます。

まとめ

今回は「興じる」「転じる」について紹介しました。

「興じる」「あるものごとに楽しんで過ごす様子」「転じる」「ある状態から別の状態に変化すること」と覚えておきましょう。