「竜」と「龍」と「辰」の違いとは?分かりやすく解釈

「竜」と「龍」と「辰」の違い生活・教育

「ドラゴン」を表す漢字として、「竜」なのか「龍」なのかで迷った経験はないでしょうか?

また、「辰年」のように、「辰」も同じく「ドラゴン」を象徴しているようですが、それぞれ違いや使い分けはあるのでしょうか?

この記事では、「竜」「龍」「辰」の意味や違いについて分かりやすく説明していきます。

1, 「竜」「龍」「竜」という字も、「龍」という字も、神話や伝説などに出てくる空想上の生き物、いわゆる「ドラゴン」を意味します。

2つの字の違いはズバリ
「龍」が旧字体で、「龍」という字を簡略化したものが「竜」
「龍」は常用外漢字で、「竜」は常用漢字
となります。


「竜」と「龍」の成り立ち

「龍」という漢字を簡略化したものが「竜」と先述しましたが、「竜」は古字であり、使用された歴史は「竜」のほうが古いとされています。

「竜」という字の成り立ちは「頭に冠をかぶる大蛇をかたどった象形文字」と言われ、紀元前に存在した古代中国の王朝「殷(いん)」の時代には既に使用されていたようです。

その後、「竜」という字に色々な装飾や模様が加えられて「龍」という字になりました。

したがって、若干ややこしいですが、古字である「竜」が先に生まれ、「竜」という字をベースに「龍」という字が生まれたのです。


「竜」が常用漢字となった経緯

日本では戦後、国語改革が行われ、難しい漢字や画数が多い漢字を簡略化する運びとなります。

その一環で「龍」という字も、「竜」へ簡略化され、同時に「竜」が常用漢字として登録されました。

「恐竜」「竜巻」「竜頭蛇尾」「画竜点睛」など「龍」より「竜」の表記が多いのもこのためです。

一方、「龍」という字は常用外漢字ですが、人名用漢字として登録されているので、名前に用いることは認められています。

ちなみに、「坂本龍馬」を題材にした有名な時代小説「竜馬がゆく」で、「竜」の方が採用されているのは、著者の司馬遼太郎氏曰く「自分が描く坂本竜馬と実在の坂本龍馬を区別するため」とのこと。

「辰」=ドラゴン?

「辰」「十二支」のひとつであり、シンボルとして「竜/龍」があてがわれています。

「十二支」とはもともと、年月や時刻、方位を計るために用いられたもので、「辰」という字も「草木の形が整った状態」を表しているとされています。

その後、「子」=「鼠」「丑」=「牛」・・「辰」=「竜/龍」のように12種類の動物がそれぞれ割り当てられました。

したがって、本来、「辰」という字には「竜/龍」のような「ドラゴン」という意味は含まれません。

まとめ

「竜」「龍」「辰」の違い ・「竜」「龍」も、いわゆる「ドラゴン」を指し、意味に違いはない。

・旧字体である「龍」を簡略化したものが「竜」

「竜」は常用漢字、「龍」は常用外漢字だが、人名用漢字。

「辰」という字には元来「竜/龍」の意味は含まれず、あくまで「十二支」におけるシンボルとして「竜/龍」が割り当てられている。