この記事では、「許諾」と「承諾」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「許諾」と「承諾」の違い
「許諾」とは、相手の願いや希望を聞いて承知し、許すことです。
「承諾」とは、相手の希望、意見、要求などを聞いて、受け入れることです。
どちらの言葉にも、相手の希望を聞くという意味が含まれていて、同じことを指しているように感じますが、若干意味が違います。
「許諾」の場合は、希望などを聞き入れて、「許す」という意味が含まれています。
「許す」には複数の意味がありますが、この場合はそうするのを認めるという意味です。
相手が何か希望などを伝えてきたら、それを「いいですよ」といって、相手にさせるようなことを指しています。
一方、「承諾」の場合は、希望などを聞いて受け入れることで、「許す」という意味は含まれていません。
相手が何か希望などを伝えてきたら、その希望などを聞いて、引き受けることを指しています。
「許諾」と「承諾」の使い方の違い
相手の希望などを聞いて認めて許すことに「許諾」を使用します。
相手の希望などを聞いて、いいですよとすることに「承諾」を使用します。
「許諾」と「承諾」の英語表記の違い
「許諾」は英語で“consent”と表現をします。
「承諾」は英語で“consent”や“approval”や“acceptance”と表現をします。
「許諾」の意味
「許諾」とは、相手が望んいること、願っていることを聞き入れて許すことです。
「許」という漢字には、ゆるす、みとめるという意味があり、「諾」という漢字には、こたえる、うけいれるという意味があります。
「聞き入れる」には、耳を傾けるという意味がありますが、「許諾」が意味する「聞き入れる」は、人の願いなどを聞いて受け入れるという意味になります。
「今日学校でこんなことがあってね」など、子どもが親に話しをして、親は「ふん、ふん」と話しを聞くような聞き方ではなく、願い、望みなどを聞いて受け入れることを指しています。
また、「許す」には、そうすることを認めるという意味があります。
たとえば、小説を映画化するには、その小説の作者に許しをもらう必要があります。
小説を映画化したいというのは願いで、作者はそれを聞き入れて、さらに願いを許してくれれば「許諾」したことになります。
聞き入れることだけでなく、許すことまで含めた意味が「許諾」です。
「許諾」の使い方
相手の要望などを聞いて受け入れ許すことについて使用をします。
相手側からこうしたいというような願いがあり、それを聞いて許した後には、何かをするのは相手側のことが少なくありません。
望みや願いなどについて、「許諾」した側が実際に行動をして叶えることよりも、「許諾」をしてもらった側が行動をすることの方がよくあります。
小説を映画化することだと、「許諾」してもらっているのは監督など映画製作者側で、実際に映画を作るのは小説の作者ではなく、監督などです。
「許諾」を使った例文
・『許諾されている音楽コンテンツ』
・『作者の許諾を得ることができた』
・『過去の記事について許諾が得られた』
・『許諾が必要になります』
「許諾」の類語
「許す」「承認」が類語です。
「承認」には、認め許すことという意味があります。
「許諾」の対義語
「否承認」が対義語です。
「否」には、同意しないことという意味があり、「否承認」は認め許すことに同意しない意味になります。
「承諾」の意味
相手の言うことを聞いて受け入れることです。
ここでいう相手の言うこととは、意見・要望・希望などです。
「受け入れる」には、相手の希望や要求などを認めるという意味があります。
「承」という漢字には、うけたまわる、ひきうけるという意味があり、漢字からも「承諾」の意味がわかります。
あるスポーツチームの選手が退団をしたいと、チームの監督に希望を伝えました。
監督が選手の希望を聞き、受け入れたなら、それは「承諾」といいます。
相手の希望や要求などを聞く、そして聞くだけでなく認めることが「承諾」です。
認めていなければ「承諾」にはなりません。
「承諾」の使い方
相手の意見や希望などを聞いて、受け入れることについて使用をします。
「承諾」を使った例文
・『海外行きの承諾を得ることができた』
・『学校をやめたいことを父が承諾してくれた』
・『思いのほか、すぐに承諾してくれた』
・『承諾を得てから行動をします』
「承諾」の類語
「受け入れる」「聞き入れる」が類語です。
「受け入れる」には、意見などを認めるという意味の他に、人や物を迎え入れるという意味もあります。
「聞き入れる」とは、要求などを聞いて認めること、耳を傾けることです。
「承諾」の対義語
「不承諾」が対義語です。
まとめ
2つの言葉には、相手の希望などを聞くという意味があり似ていますが、若干意味が違い、使われ方も違います。