「訓練」と「練習」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「訓練」と「練習」の違い生活・教育

この記事では、「訓練」「練習」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「訓練」と「練習」の違い

技術や技能の向上を目的としている点では同じものとなる「訓練」「練習」

しかし、その中身は、少し違っています。

まず、誰がするものか、誰にさせられるのか、において異なる「訓練」「練習」

「訓練」が、自分ではなく他の人にさせる、他の人にさせられるものに対し「練習」は、自分で行うものとなります。

この点において、まず、大きな違いがあります。

つまり、同じ技術や技能を身に着ける行為であっても、他の人にさせる、させられる場合は「訓練」

自分自身で技術や技能を身に着ける場合は「練習」を使用することになります。

また、「訓練」の場合、本番に備え行う行為といった意味が強く、「訓練」を行っておくことで、本番でのミスや失敗を防ぐことができるものとなります。

一方、「練習」の場合は、技術や技能の向上を目的とした意味が強く、上達するために「練習」を行うといったものとなります。


「訓練」と「練習」の使い方の違い

他の人にさせる、させられるのか、自分自身で行うのか、といった違いがある「訓練」「練習」には使い方の違いにも注意が必要です。

例えば、万が一の災害の備えた「避難訓練」

この場合、「避難練習」とは言いません。

「訓練」には、他の人にさせる、させられるといった意味に加え、本番に備えた行為といった意味がるため、「避難訓練」が正しい使い方となります。

一方、技術や技能を身に着ける行為として、「○○の練習」

例えば、「ピアノの練習」といった使い方がありますが、「ピアノの訓練」といった使い方はありません。

「練習」には、自分自身で行うものといった意味に加え、お稽古といった意味もあり、その結果、「ピアノの練習」といった使い方が正しい使い方となります。


「訓練」と「練習」の英語表記の違い

「訓練」は英語で、practice; exercise; training; drillです。

「訓練する」は、train、drill、discipline
「訓練を受ける」は、be trained 《in》、train 《for》、【形式ばった表現】 undergo training [discipline]
「基礎訓練」は、training in fundamentalsとなります。

「練習」は英語で、practice; exercise; training; drillと「訓練」と同じとなります。

「練習する」は、practice、train、rehearse
「英会話を練習する」は、practice speaking English 《using [with the help of] records》
「練習試合」は、a practice game [match]、a workoutとなります。

「訓練」の意味

他の人にさせられる、させる、といったことが大前提となる「訓練」

技術や技能を身に着けさせる行為となり、自分で行うというよりも、他人にさせられる、させるといった意味となります。

また、他の人にものごとを教え、習得させるといった意味もあります。

今後の状況に備え繰り返し行うといった意味もあり、「訓練」の場合、事前に、その内容がマニュアル化していることも少なくありません。

そのマニュアルに沿って繰り返し行う流れとなります。

「訓練」の使い方

他の人にさせる、させられる、といった意味から「訓練」の使い方としては、「避難訓練」をはじめ、「職業訓練」「防災訓練」「飛行訓練」など、今後の状況に備え、繰り返し行う行為を意味する場合に用いられる言葉となります。

「訓練」を使った例文

・『学校で行われる避難訓練は、とても大切です。』

・『仕事に就くため、職業訓練校に通うことに決めました。』

・『厳しい訓練によく耐えた。』

・『盲導犬の訓練を見学させてもらった。』

「訓練」の類語

練習を課すといった意味の「訓練」の類語は、教練、トレーニング。

指導、演習によって素行を発達させるといった意味の場合、調教、訓育、躾けるなどとなります。

「訓練」の対義語

「訓練」の対義語はありません。

「練習」の意味

自分自身で自分のために行うことが大前提となる「練習」

自分自身が上達する、技術や技能を身に着けることを目的としたものとなり、同じことを何度も何度も繰り返し行うことも少なくありません。

その結果、成果が実り技術や技能を身に着けることができる、上達することができるのが「練習」です。

そのことから、お稽古するといった意味も「練習」には含まれています。

「練習」の使い方

自分自身で行うといった意味から「練習」の使い方としては、「練習問題」「ピアノの練習」「練習曲」「練習台」など、自分自身、繰り返し行い身に着けるといった際に用いられます。

「練習」を使った例文

・『ピアノの練習は、毎日行うことが基本です。』

・『頑張って練習した結果が出て、とても、嬉しいです。』

・『今度の練習曲が発表されました。』

・『なかなか、難しい練習問題だ。』

「練習」の類語

リハーサルを行うといった意味の「練習」の類語は、予行、御浚い、お浚い、演練、稽古など。

何度も繰り返す体系的なことは、トレーニング、プラクティス、エクササイズなどが「練習」の類語となります。

「練習」の対義語

「練習」の対義語は、「本番」です。

「本番」には、練習ではなく本式に行うといった意味があります。

まとめ

以上が「訓練」「練習」の違いです。

誰かにさせられるのか、させるのか。

それとも自分自身で行うのかといった違いがある「訓練」「練習」

それを軸にした使い分けが必要な言葉となります。