「愚直」と「実直」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「愚直」と「実直」の違い生活・教育

この記事では、「愚直」「実直」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「愚直」と「実直」の違い

周りから言われると嬉しい気持ちになる人も多い「愚直」「実直」

しかし、実際には、「愚直」の場合、周りから言われると少し複雑な意味も隠れていることになります。

「実直」は、真面目、正直、誠実など、周りから言われると非常に嬉しい褒め言葉となります。

「実直」に比べ、「愚直」は、同じような真面目、正直、誠実、といっても、それらがうまく作用しない、といったマイナスの意味が含まれています。

「愚直」の場合、愚かという漢字が用いられていることからもわかるように、愚かなほど真面目、正直、といった意味が込められ、臨機応変な対応ができない。

融通が利かない面倒な人。

などといった意味が込められています。

このようなことから、一見、誉め言葉とも思える「愚直」「実直」ですが、「実直」は素直に正直で真面目だと褒められているのに対し、「愚直」は、マイナスのイメージも含まれ、嫌みとして用いられている場合も少なくありません。


「愚直」と「実直」の使い方の違い

どちらも、真面目、正直といった意味を持ちますが、意味の内容が少し異なるため注意が必要です。

「愚直」は、侮辱するときにも使用する言葉となり、一般的にも用いられる言葉となります。

2つのまったく違った意味を持つ言葉となるため使い方には注意が必要です。

「愚直」の場合、言い方や受け取り方によって、相手を傷つける、侮辱する、といった意味となる場合があります。

その一方、「実直」は、素直な褒め言葉となるため、特に使用する際の注意はありません。

「実直」の場合、日常生活において使用されるというよりも、ビジネスの場で使用されることが多い言葉となります。


「愚直」と「実直」の英語表記の違い

「愚直」は英語では、simple honesty; tactless franknessです。

「愚直な」は、simple (and honest)、honest to a fault、foolishly [stupidly] honest
「あの人は愚直だけの取柄だ」は、He is nothing without his simple honesty/Honest simplicity is his only redeeming point. となります。

「実直」は英語では、sincere、unfeigned、true、genuine、reliable、dependable、true、honestです。

「実直な」は、steady、honest、trustworthy、【形式ばった表現】 faithful
「実直で立派な男性」は、an upright and respectable man
「彼は実直に勤めている」は、He is a loyal worker. となります。

「愚直」の意味

「愚直」は、同じ正直でも、正直すぎる、といった意味となります。

正直すぎて融通が利かない、臨機応変さに欠ける、といった意味が強く、正直なあまり、悪い結果となる、周りに迷惑をかける、周りから良く思われない、などといった意味が「愚直」にはあります。

「愚直」の使い方

「愚直」の使い方としては、様々な言いまわし方があります。

例えば、「愚直な人」「愚直な生き方」など人の性格を表します。

「愚直」を使った例文

・『愚直だけが取り柄の彼のことが私は大好きです。』

・『愚直なほどに真面目な人を馬鹿にしてはいけないと思う。』

・『父は、家族のために愚直な生き方、働き方をしてきたのだと思う。』

・『愚直に練習してきたからこそ、良い成績を残すことができたのではないだろうか。』

「愚直」の類語

「愚直」の類語には、ありのままの感情を表す性格といった意味として、「直情的」「直線的」「直情径行」「愚直」「率直」

融通が利かない人といった意味として、「ばかまじめ」「クソ真面目」「生真面目」「バカ真面目」「糞真面目」「くそ真面目」「四角四面」などがあります。

「愚直」の対義語

「愚直」の対義語は、「狡猾」です。

「狡猾」には、ずるく悪賢いといった意味があります。

「実直」の意味

「実直」は、真面目、正直、誠実、など、その人がどれだけ素晴らしい人なのかといったことを表現する際に用いる言葉となります。

相手から言われると非常に嬉しい褒め言葉となり、素直に喜ぶことができる言葉です。

また、用いる際も相手を素直に褒めたい際に使用することができる言葉となるため、難しく考えることなく素直に相手の真面目さなどを褒めたい際に使用することができます。

「実直」の使い方

「実直」は、良い意味で使われ、「実直な性格」「実直に向き合う」、など、人の良い性格を表します。

「実直」を使った例文

・『仕事に対し実直な彼は上司からの信頼も厚い。』

・『あまりにも夫が実直に仕事を行うため、過労で倒れないかいつも心配です。』

・『彼女の取り柄は、実直なところです。』

・『今度の部長は実直に仕事と向き合う人で良かった。』

「実直」の類語

「実直」の類語には、「真面目」「誠実」「正直」「篤実」「篤厚」「真っ直ぐ」「清廉」「手堅い」「律儀」などがあります。

「実直」の対義語

「実直」の対義語も「愚直」と同じく、ずるく悪賢いといった意味を持つ「狡猾」です。

まとめ

人の性格を褒める際に用いられる「愚直」「実直」

しかし、時に大きな違いとなる両者。

「実直」だと相手から言われたときは、素直に誉め言葉として喜ぶことができますが、「愚直」と言われた際は、素直に喜ぶことはできず、自分の真面目さで誰かに迷惑をかけているのではないか?と疑う必要があります。

そのため、もし、「愚直」という言葉で相手から誉め言葉のように言われたときは、少し裏の意味を考える必要があります。

また、「愚直」という言葉を選ぶときは、マイナスのイメージがあるということを十分に踏まえたうえで使用することが大切です。

「実直」と同じ意味だと思い安易に使用してしまうと相手を傷つけてしまうかもしれません。