この記事では、「好き」と「依存」と「執着」の違いを分かりやすく説明していきます。
「好き」とは?
「好き」とは、あるものや人を気に入ること、良い感情を持つことです。
また恋愛感情を持つことを指します。
一般に、特定の物や人に対し「心がひかれる」「特別な関心を持つ」「もっと接触したいと思う感情が湧く」などの感情が起こることを「好き」と表現します。
また「好き」にはさまざまな種類があります。
物に対しては自分の嗜好に合っていること、人に対しては友人として、尊敬する相手として「このましい」と思う感情を「好き」と表現します。
恋愛における「好き」は、周りにいる人への愛や友情とは違う愛情が芽生えることです。
たとえば「一緒にいたい」「もっと近づきたい」「特別な存在になりたい」などの気持ちを抱くことを指します。
「好き」の例文
・『私はいちごが好きです』
・『私は、彼女のようにさっぱりした性格の人が好きだ』
・『好きな男子が近くにいるだけで、ドキドキして顔が真っ赤になってしまう』
「依存」とは?
「依存」【いそん】【いぞん】とは、ほかのものに頼り切ること、または、特定の存在に頼らないと生きていけなくなる状況を指します。
「依存」の対象となるものは、人、娯楽、食べ物、嗜好品などさまざまです。
近年はインターネットやゲームに「依存」する人が増えていると言われます。
特定の物質や行為に「依存」する頻度が高くなり、それがないと耐えられなくなるような状態は「依存症」と呼ばれ、専門治療が必要となります。
「依存」の例文
・『姉はすぐ他人に依存する性格で、精神的に自立できていない』
・『あまり薬に依存するのは、かえって体に良くないよ』
「執着」とは
「執着」【しゅうちゃく】とは、ある物事にとらわれ、必要以上にこだわり続けることです。
仏教で人生の妨げになる感情を「執着」と呼び、修行によってなくすことが勧められてきました。
現在では、強くひかれたものの存在が頭から離れず、ずっとこだわり続けることを指して使われます。
具体的には、対象となるものを失いたくないあまり、監視したり自分の思い通りに束縛しようとする言動がみられることを指します。
「執着」の対象となるものは、恋愛の相手、お金、ステータス、思い出など種類はさまざまです。
「執着」の例文
・『別れた恋人にいつまでも執着する』
・『父は、金に対する執着が人一倍すごい』
「好き」と「依存」と「執着」の違い
「好き」「依存」「執着」は、物や人に心をひかれたことがきっかけで始まる感情や行動です。
「好き」な気持ちが高じ、すがりつかなければ生きていけなくなる状況が「依存」にあたります。
また、その存在にのめりこみ、必要以上にこだわることは「執着」と呼ばれます。
「好き」はポジティブでこのましい感情ですが「依存」「執着」に移行してしまうことは決して良いこととはいえません。
それは「依存」「執着」は自分の欲求を満たすために起こる自己中心的な行動で、人に迷惑をかけたり自分の人生を犠牲にしたりすることが多いためです。
恋愛において相手に「依存」や「執着」をする人は、それを「愛情の深さ」と勘違いしている場合も少なくありません。
相手の幸せを考えて行動しなければ、それは愛とはいえず、相手は嫌がって離れていってしまうだけなのです。
まとめ
「好き」の延長線上にあるのが「依存」と「執着」ですが、「好き」とは全く質が違っています。
「好き」「依存」「執着」のそれぞれが持つ意味、因果関係についておさらいしておきましょう。