「用意」と「準備」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「用意」と「準備」の違い生活・教育

この記事では、「用意」「準備」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「用意」と「準備」の違い

仕事をはじめ、ある物事などに対し問題なく進めることができるよう、あらかじめ必要なものを揃えておくといった意味では同じ意味となる「用意」「準備」

ただし、「用意」に比べ「準備」の方が幅広く事前の備えといった意味が強くなります。

「準備」の場合、「仕事や物事に対して必要な道具や品物、会場を備えるといった意味だけではなく、人に対しても用いる言葉となり、人間関係の根回しや集団、組織に対する運営といったことを事前に備える意味もあり、この点が「用意」との大きな違いとなります。


「用意」と「準備」の使い方の違い

「準備」の方が「用意」よりも幅広い事前の備えといった意味があり、この点を重視することが使い分けの重要なポイントとなります。

事前に必要なものをきちんと備えておくといった意味を持つ「用意」

例えば、「明日の仕事の用意をする」「明日の仕事の準備をする」を比較した場合、「明日の仕事の用意をする」の方が明日の仕事に必要なものを揃えておくことに重点が置かれていると言えるのです。

また、覚悟を決めるといった意味で用いる場合、「心の用意をする」よりも「心の準備をする」といった使い方がふさわしくなります。


「用意」と「準備」の英語表記の違い

「用意」は英語表記で、readiness; preparationです。

「用意する」は、prepare 《for》、ready oneself 《for》、get ready [prepared] 《for》、make arrangements 《for》、provide 《for, against》。

「用意がいい」は、be ready、be carefully arrangedとなります。

「準備」は英語表記で、preparationです。

「準備する」は、prepare (oneself) 《for》; arrange 《for》; make preparations [arrangements] 《for》; get ready 《for》、〈備える〉 provide for [against]; reserve 《a fund》。

「準備運動、準備体操」は、warming [limbering] up、warming‐up exercisesとなります。

「用意」の意味

「用意」の意味としては、物事、仕事などに対して必要なものを取り揃えること、忘れないように事前に必要なものを揃えておくことといったものとなります。

前もって必要なものを揃えておくといったことに重点があり、「準備」に比べると短い期間のことを示すものとなります。

もっと言えば、「用意」した直後に開始されることもあり、例えば、「用意、ドン」の場合、用意した後、すぐに行動をスタートさせることになります。

「用意」の使い方

前もって、物などを備えておく意味を持つ「用意」の使い方としては、「用意がいい」「用意します」「用意周到」「用意、ドン」などとなります。

この場合の「用意がいい」「用意します」「用意」は、「取り揃えられたもの」に重点を置いたものとなります。

「用意」を使った例文

・『次の授業の用意をしてから休憩してください。』
・『明日から出張のため、出張の用意をしておく。』
・『お客様。お食事のご用意ができました。』
・『部長、こちらに資料をご用意致しました。』

「用意」の類語

「用意」の類語として、準備する行為に対しての類語には、下ごしらえ、下拵え、拵、備、仕込、支度、備え、仕度、準備、仕込み、拵えなどがあります。

精神的に、または、感情的に、不快な何かに備えるに対しては、備える、奮い起こす、身構える、具えるなどがあります。

そのほかにも、給する、供給、給付などがあります。

「用意」の対義語

「用意」の対義語は、「始末」です。

「始末」には、物事を締めくくること、後片付けをすること、処理することといった意味があり、その意味において「用意」の対義語となります。

「準備」の意味

「準備」の意味は、物事をする前に事前に必要なものを揃えておくこと、人間関係の根回しをしておくこととなります。

このように、「準備」の場合、物の準備だけではなく、体制や環境などもあらかじめ整えておく意味もあります。

また、覚悟を決めるといった意味も持っています。

「準備」の使い方

物事をする前に事前に必要なものを揃えておくこと、人間関係の根回しをしておくことを意味する使い方としては、「講演会の準備」「運動会の準備」「下準備」「準備万端」など。

覚悟を決めるといった使い方としては、「心の準備」などがあります。

「準備」を使った例文

・『子供連れでの外出の準備は大変です。』
・『明日の大会準備に夜遅くまでかかってしまった。』
・『ケガをしないためにも準備運動は真剣に行ってください。』
・『絶叫マシンに乗る前には心の準備が必要です。』

「準備」の類語

「準備」の類語には、準備する行為を意味する、下ごしらえ、拵、備、仕込、支度、備え、仕度、用意、準備すること、下準備などがあります。

「準備」の対義語

「準備」の対義語は、物事の締めくくりをつけること、後片付けをすること、処理の意味の「始末」

散らばっているものをきちんとした状態にするといった意味の「片付け」となります。

まとめ

以上が、「用意」「準備」の違いです。

重点を置く点に注意し使い分けることが必要な言葉となります。