この記事では、「糧となる」と「為になる」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「糧となる」と「為になる」の違い
「糧となる」と「為になる」はどちらも「ある物事が役に立つこと」を意味している言い回しですが、「糧となる」は「ある程度長期的なスパンで役に立つこと」を示唆していて、「為になる」のほうは「短期的スパンと中長期的スパンのどちらでも役に立つこと」を示している違いがあります。
また「糧となる」は「精神的成長につながる・教養や人間性が高まる・生きるための支えになる」といった意味のニュアンスがありますが、「為になる」は「直接的あるいは物理的に役に立ったり利益になったりすること」のニュアンスが強くなっています。
「糧となる」と「為になる」の使い方の違い
「糧となる」は「上手くできなくてもチャレンジしたことは糧となります」や「あなたの励ましが生きる糧となります」のように、「実際的・精神的に成長するための力になること」や「生きていくための支え・意味になること」の意味合いで使われます。
それに対して、「為になる」のほうは「成長するための力になる」の意味では使えますが、「つらいことに耐えて生きる支えになる」の意味では使われない使い方の違いがあります。
また「為になる」のほうが「糧となる」よりも、「短期的あるいは直接的に役に立つ」の意味で使われやすくなっています。
「糧となる」と「為になる」の英語表記の違い
「糧となる」を、英語で表現すると以下になります。
“lead to future growth”(将来の成長につながる・糧となる)
“going to be mental nourishment”(精神的な支えになる・糧となる)
“become reason for living”(生きる理由になる・糧となる)
「為になる」を、英語を使って表現すると以下になります。
“be useful in the future”(将来の役に立つ・利用できる・為になる)
“be worth in the future”(未来において価値がある・為になる)
「糧となる」の意味
「糧となる(かてとなる)」という言葉は、「精神的・実際的な成長につながる力になったり役に立ったりすること」を意味しています。
「糧となる」には、「つらいこと・嫌なことにも耐えて生きていくための支え・意味になる」といった意味合いも備わっています。
「糧となる」の「糧」は原義は「食べ物・食糧」ですが、それが転じて「精神的な支え・豊かさ・意味」といった意味も持つようになりました。
「糧となる」の使い方
「糧となる」の慣用句は「この過酷な経験が将来の糧となる」の文章のように、「今後の成長につながる役に立つ」の意味で使われます。
また「糧となる」の使い方として「好きな人の応援の言葉が生きる糧となります」の文章で使用できるように、「つらいことにも耐えて生きていくための支え・理由になる」といった意味で使う使い方もあります。
「糧となる」を使った例文
・『厳しいトレーニングは、潜在能力を開発する糧となります。』
・『自分の糧となることを信じて、毎日長時間の勉強をしています。』
・『大好きな妻や子供を守っていくことが、私の生きる糧になっています。』
・『どんな苦労や挫折も無駄になることはなく、人生を生き抜く糧となります。』
・『失敗した経験から謙虚に学ぶことで、仕事の糧となります。』
「糧となる」の類語
「糧となる」の類語には、以下のような言葉があります。
「プラスになる」「財産になる」……現状を良くするプラスの効果や影響があること。
将来、自分を精神的・経済的に支えてくれるものになること。
「支えになる」「励みになる」……生き抜くための力になること。
頑張ってやっていこうと思える理由・意味になること。
「血となり肉となる」……実際に経験したことから学んで、将来何かの役に立てられる基盤になること。
「糧となる」の対義語
「糧となる」の対義語は、以下になります。
「害になる」「有害無益(ゆうがいむえき)」……相手から被害を受けること。
ある経験からマイナスの影響をこうむること。
害だけがあって利益にならないさま。
「マイナスになる」……プラスの効果・影響を得ることがなく、(現状よりも悪くなる)マイナスの不利益・悪影響を受けること。
「為になる」の意味
「為になる(ためになる)」とは、「実際的に役に立つこと」や「見識を深めたり知識を応用したりする勉強になること」、「将来の利益(物心の豊かさ)になること」を意味しています。
「為になる」という言い回しには、「ある経験・知識・情報などが、将来において何かの役に立ったり心を豊かにしてくれたりする」といった意味のニュアンスが含まれています。
「為になる」の使い方
「為になる」は「学校で勉強する基本的な知識は、人生で為になります」の文章のように、「後になって何かの役に立つこと・将来の利益やプラスになること」を意味して使うという使い方になります。
「為になる」という言い回しには、「今は面倒なことや嫌なことかもしれないが、後になってからあなた自身やあなたの人生に役に立つ・利益がある(プラスになる)」といった意味のニュアンスがあるのです。
「為になる」を使った例文
・『何の為になるのか分からない勉強が苦手でした。』
・『できる先輩とやり取りした仕事に関する話は、為になりました。』
・『暴飲暴食をやめて栄養バランスに気をつけることは、あなたの為になります。』
・『好ましくない交友関係を続けることは、あなたの為になりません。』
・『為になるお話を聞かせていただき、今日はありがとうございました。』
「為になる」の類語
「為になる」の類語は、以下になります。
「役に立つ(やくにたつ)」……目的を果たすための手段・方法になること。
「利益になる(りえきになる)」……損ではなく得になること。
自分にとってプラスの影響があること。
「勉強になる(べんきょうになる)」……有益な知識や内容を学ぶことができること。
何かに役立てられる気づきを得られること。
「為になる」の対義語
「為になる」の対義語は、以下になります。
「不利益になる(ふりえきになる)」「害がある(がいがある)」……マイナスの効果・影響を受けてしまうこと。
ある物事や人物、体験が有害であること。
「悪影響がある(あくえいきょうがある)」……不利益・悪事・失敗などにつながる、好ましくないマイナス影響を受けてしまうこと。
まとめ
「糧となる」と「為になる」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「糧となる」と「為になる」の意味・使い方・英語の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事の内容をチェックしてみてください。