この記事では、「寡占」と「独占」の違いを分かりやすく説明していきます。
2つの言葉には、どのような意味と違いがあるでしょうか。
「寡占」とは?
「寡占」は「かせん」と読みます。
「寡占」は、「少数の供給者が市場を支配している状態のこと」という意味があります。
買い手が少数の場合は、「買い手寡占」と呼び、これと区別し、「売り手寡占」という言葉もあります。
市場形態の一つで、ある商品やサービスに関係する少数の売り手に、市場が独占されるとき、「寡占状態」などと言います。
また、市場を独占している少数の売り手のことを、「寡占者」または「寡占企業」などと呼びます。
ちなみに、少数の供給者が市場を支配している場合は「寡占」と呼びますが、一つの企業が市場を支配しているような場合は、「独占」と呼び、「独占企業」、「独占状態」などと表現します。
さらに、二つの企業が市場を支配している状態は、「複占」と呼びます。
「寡占状態」にある市場では、少数の供給者同士が、戦略的関係を結びやすいという傾向があります。
そうなると、企業同士の競争がなくなり、消費者にデメリットが生じやすいと考えることができます。
「独占」とは?
「独占」は「どくせん」と読みます。
「独占」は「特定の資本が他の競争者を排除し、生産と市場を支配している状態のこと」という意味があります。
特定の企業が、他の競争相手を排除し、市場や資源などを支配して、利益を独り占めにするような経済構造を「独占」と言います。
国が規制対象とするときに、「独占」と言う場合は、「寡占」「複占」を含みます。
多くの人にとって利益があるような状態を作るため、「独占」を防ぐよう、国が介入することがあります。
また「独占」を禁止する「独占禁止法」という法律もあります。
ただし、北海道における「JR北海道」のように、インフラ業界においては、「独占」が自然と起こりやすい傾向があります。
このような自然に起こりやすい「独占」を「自然独占」と呼びます。
また「独占」は、「自分一人だけのものにすること。
独り占め」という意味があります。
例えば、アイドルグループで、ファンの人気を独り占めにするメンバーがいる場合は、「ファンを独占するメンバー」などと表現できます。
「寡占」と「独占」の違い
「寡占」と「独占」の違いを、分かりやすく解説します。
「寡占」は、「少数の供給者が市場を支配している状態のこと」という意味があります。
一方で「独占」は「特定の資本が他の競争者を排除し、生産と市場を支配している状態のこと」という意味があります。
どちらも市場形態に関する言葉という共通点があります。
ただし、「寡占」は少数の供給者による支配状態を意味するのに対して、「独占」は、一社による支配状態を意味するという違いがあります。
まとめ
「寡占」と「独占」の違いについて見てきました。
2つの言葉の意味の違いを知ることで、混同せずに使い分けることができるようになりそうです。