「現実」と「事実」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「現実」と「事実」の違い生活・教育

この記事では、「現実」「事実」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「現実」と「事実」の違い

「現実」とは、今目の前に実際に現れている事柄や状態のことです。

「事実」とは、実際に起こった事柄、実際に存在している事柄のことです。

2つの言葉にはどちらも、確かに存在していること、確かに起こったことという意味があり、ほぼ同じ意味ですが、若干意味合いが違います。

「事実」は実際に起こった具体的な事柄や存在している事柄のことをいいますが、「現実」は理想とは対立する概念としての意味が含まれています。

今目の前には、事故を起こしてぐちゃぐちゃになってしまった車が存在します。

実際に存在しているものという意味で「事実」ということができます。

「現実」という言葉で表現をすると、事故を起こして車がぐちゃぐちゃになってしまったことを認めたくないけれど、それは実際に起こってしまったことだ、といった意味合いになります。


「現実」と「事実」の使い方の違い

ほぼ同じ意味を持っているので、同じように使用することが可能です。

しかし「現実」は、理想とは対極のものであるという意味で使われることもあります。

この意味では「事実」は使用しません。


「現実」と「事実」の英語表記の違い

「現実」は英語で“reality”“actuality”と表現をします。

「事実」は英語で“fact”“truth”“really”と表現をします。

「現実」の意味

「現実」には、今目の前に現れている、実際に起こった事柄、実際に存在している事柄という意味があります。

理想とは反対の概念の意味が含まれています。

偏差値80の高校に考えていたとします。

しかし、自分の学力は偏差値50の高校に入れるていどのものです。

偏差値80の高校に入るというのは理想で、「現実」は偏差値50の高校に入るのがやっとです。

理想とは違う、理想とは対極であるといった意味を含む言葉です。

「現」という漢字には、あらわれる、あらわす、実際のという意味があり、「実」という漢字には、ありのまま、本当のという意味があります。

「現実」の使い方

今目の前に実際に現れているもののことを指して使用をします。

今、レストランにいます。

オムライスを注文し、店員さんが注文した料理を運んできてくれて、今目の前にはオムライスが存在しています。

しかし、こういったことを指して、「オムライスが現実に目の前にある」とは言わないことが一般的です。

このような言い方をすると、オムライスなんてとても高価でめったに食べられるものではない、今目の前にあることが信じられないといったニュアンスになります。

「現実」という言葉は、理想の対極の概念として使われることが多くあります。

「現実を見なさい」といった場合は、理想を追い求めてばかりいないで、今の状態を見なさいといった意味になります。

「現実」を使った例文

・『現実を見て考えなさい』
・『現実を受け入れることができない』
・『これが現実なんだと受け入れた』
・『ちまたではいろいろなことが言われているけれど、現実はそうとは限らない』
・『あんなものが現実に存在していたらいいな』

「現実」の類語

「事実」が類語です。

「現実」の対義語

「理想」「想像」が対義語です。

「理想」には、そうあって欲しいと望む状態という意味があり、「想像」には、実際には経験していないことを考えてみることという意味があります。

「事実」の意味

「事実」には、実際に起こった事柄、実際に存在している事柄という意味があります。

ある人が自宅の駐車場に停めておいた車に傷をつけられたと訴えていたとします。

この人は、近所の人の仕業だと言い張ります。

この家の付近には防犯カメラが設置されており、警察は防犯カメラが撮影した映像を確認しました。

そこでわかったことは、訴えている人の自宅に誰かが侵入した様子はなく、猫が車をひっかいていたということです。

人が車を傷つけたのではなく、猫が傷つけたというのが実際に起こったことです。

訴えと「事実」違ったといえます。

訴えていたことは想像であり、「事実」ではありません。

本当に起こったことが「事実」です。

「事実」の使い方

本当にあった事柄、本当に存在している事柄について使用をします。

「事実」を使った例文

・『事実を打ち明ける』
・『事実を隠そうとする』
・『事実を元に今後の計画を立てる』
・『子宮を失ったという事実を受け入れられない』
・『事実から目を背けようとする』

「事実」の類語

「現実」が類語です。

「事実」の対義語

「うそ」が対義語です。

実際にあったことではないという意味があります。

まとめ

実際にあるものという、ほぼ同じ意味を持っている2つの言葉ですが、「事実」は具体的なものを意味しているのに対し、「現実」は理想の対極の概念である点が違います。