この記事では、「吸着」と「粘着」と「接着」の違いを分かりやすく説明していきます。
「吸着」とは?
吸いつくこと、 二つの異なる物質相が接するとき、その界面で、それぞれの物質層を構成している成分が濃縮される現象を指す意味もあり、こちらの意味合いは冷蔵庫の脱臭や活性炭の脱臭のメカニズムになっています。
「粘着」と「接着」とはあまり関係のない意味合いと言えるでしょう。
吸い付くことを指す場合、吸い付けるものを密着することが条件になり、吸盤や繊維などで吸い付けるということになります。
吸着しているものは原理的には剥がすことが可能ではありますが、あまり強力であると難しくなります。
吸盤などでは密着状態ではなくなることで吸着状態を解除できるものもあり、フックなどの製品に用いられています。
家庭製品ではあまり小さいサイズは吸着できず、テープなども吸着するものはありません。
「粘着」とは?
粘りつくことを指し、テープ、シールなどでは常に粘りつく状態を安定して保っているため、すぐに貼り付けることが出来、ものによって剥がすことも可能です。
のりは粘りついていますが、固まる性質となっています。
異なる性質のもの同士を貼り付けるのに便利ですが、吸着同様ある程度密着していることが前提となります。
家庭では粘着テープセロハンテープなどのテープ類、貼り付けるタイプのフックなどにも使われています。
プラモデルなどの水による転写式デカールはのりが使われており粘着のジャンルに含まれますが乾燥して固まります。
「接着」とは
二つの物体が接したときに働く、分子を引き付ける力で起こる現象のことを指し、もの同士がくっつくことを指すため、言葉としてはガムテープで二つのダンボールを接着するという使い方も可能です。
なお、本来のガムテープは水をつけて接着剤を作用させるというものですがあまり一般的ではありません。
接着剤は同一の素材同士をくっつけるための溶剤タイプと瞬間接着剤やエポキシ素材など異なる素材を接着させ硬化させるタイプの接着剤があり、どちらも硬化するまでは二つの接着したものは動かすと取れてしまう点が粘着との大きな違いです。
剥がすことは基本的には前提にしていないと言えます。
「吸着」と「粘着」と「接着」の違い
「吸着」は吸い付く「粘着」は粘りつく「接着」はくっつくということができ、粘着したままというケースでは接着と吸着ほど硬さはないと言えますが、粘着から固まるタイプの材質ではそれなりの硬さがあります。
吸着は吸い付くという関係上素材が限定され、吸盤や風呂マットと水に吸い付く素材などに限られます。
接着は双方を溶かしてくっつけるものと、溶かさず接着するものがあり、粘着や吸着と比べ時間がある程度かかることが特徴です。
まとめ
吸着は家庭内ではフックなど限られたケースでしか使われませんがテープのジャンルの粘着は広く使われます。
粘着力次第ではマスキングテープのようには剥がすことを前提にすることも可能です。
接着は接着剤によるケースではほぼ剥がすことは前提にしておらず、作業時間がかかることが特徴です。