「温和」と「温厚」と「穏和」の違いとは?分かりやすく解釈

「温和」と「温厚」と「穏和」の違い生活・教育

『穏やかなこと』という表現は対象によってさまざまな言葉のバリエーションが存在しています。

今回は代表的な3つについてご紹介致します。

この記事では「温和」「温厚」「穏和」の違いを分かりやすく説明していきます。

「温和」とは

この言葉の意味は『気候や性質、物事が穏やかで落ち着き、優しいことや状態』を表しています。

この言葉のポイントは対象が『気候』、『性質』、『物事』にあることです。

しかしながらこの単語は気候と性質に対してもっぱら使われることが多い表現です。

例えば『温和な気候』というと、暖かく、厳しい温度変化などが存在しない様子であることを表しています。

また、感情の起伏が少なく穏やかな人のことを『温和な人』という表現もします。


「温和」の例文

・『本田さんの性格は生来温和であることで有名だ』
・『春の温和な気候は人々の心を明るくする』


「温厚」とは

この単語は『性格や性質が穏やかで優しくまじめな様子』を指す言葉です。

この言葉のポイントは『性格や性質』という部分に特化している言葉であるということです。

誰にでも優しく、穏やかな人というのは『温厚な人』であるとよく言われます。

英語にあえてするのであれば『Gentle』(紳士的)という意味にもなります。

「温厚」の例文

・『学生時代のやんちゃな性格とは打って変わって玉田さんは温厚になった』
・『村上さんは社内でも温厚篤実で通っている素晴らしい人物だ』

「穏和」とは

この単語も読み方は『おんわ』です。

この表現は『性質、物事が穏やかで落ち着き、優しいことや状態』という意味を表しています。

ポイントは『性質、物事』が対象になっているという部分にあります。

これ以外の対象へは『穏和』は使わないという点を強く認識してください。

主な使われ方としては小説や詩などで優しい表現をすることがありますが、これを『穏和な表現』ということがあります。

また、優しい性格などに対しても『穏和な性格』という形で使うこともできます。

「穏和」の例文

・『矢田部さんの穏和すぎる性格は玉に瑕である』
・『私の父は普段穏和であるが、ハンドルを持つと途端に人が変わってしまう』

「温和」と「温厚」と「穏和」の違い

それぞれ『気候、性質、物事がおだやか』、『性格がおだやか』、『性質、物事がおだやか』という区別をつけることができます。

一番迷いやすいのは読み方がまったく同じの『温和』と『穏和』ですが、漢字から判断するととても分かりやすいです。

前者は『温度など気候について』、後者は『温度などではなく穏やかな状態や性質、物事に対して』という理解をするといいでしょう。

もしくは『温和』はどの様な物事にも使える広い対象への表現であり、『温厚』は人の性格や性質に限定。

『穏和』は性質や物事に限定と理解しても問題ありません。

まとめ

如何でしたでしょうか。

読み方が同じで意味も似ている『温和』と『穏和』は非常にわかりにくい言葉ではなかったでしょうか。

構成されている漢字の意味をしっかりと認識して是非区別をつけられるようにしてみましょう。