この記事では、「見通し」と「見込み」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「見通し」と「見込み」の違い
「見通し」には、4つの意味があります。
1つめは、始めから終わりまで見続けること。
2つめは、遮るものがなくて遠くまで見えること。
3つめは、人の心など見えない内面部分を見抜くこと。
4つめは、将来を推測することです。
「見込み」には、5つの意味があります。
1つめは、先行きに見当をつけること。
2つめは、将来を推測すること。
3つめは、茶碗の内部の底のあたりのこと。
4つめは、建築で奥行きや部材の側面のこと。
5つめは、外観のことです。
2つの言葉で意味が似ているのは、将来を推測することという意味です。
「見通し」の場合は、現在の状況から未来の結果を推測することだけでなく、その過程も確信を持って推測する意味が含まれています。
それに対して「見込み」は、将来そうなると確信を持った推測のことです。
こうなって欲しいという希望も含まれています。
「見通し」と「見込み」の使い方の違い
どちらの言葉も将来を推測することに使うことができます。
しかし、同じように使われているのではありません。
「見通し」は、将来の結果を推測するだけでなく、その過程も確信を持って推測していることに使用をします。
「見込み」は、そうなって欲しいと希望を込めた意味で使われることがあります。
また、どちらの言葉にも将来を推測すること以外の意味も持っており、その意味では同じような使われ方はしていません。
「見通し」と「見込み」の英語表記の違い
「見通し」は英語で、将来を推測する意味では“prospect”や“outlook”や“forecast”と表現をします。
「見込み」は英語で、将来を推測する意味では“expectation”や“anticipation”と表現をします。
「見通し」の意味
「見通し」には、4つの意味があります。
1つめは、最初から最後まで見続けることです。
テレビドラマは、1話がおよそ1時間の放送です。
1つの話しの最初から終わりまでを見ることが「見通し」になります。
10話完結だったら、1話から10話までを続けてみることも「見通し」といえます。
2つめの意味は、遮るものがなくて遠くまで見えることです。
展望台など高い場所にのぼると、遮るものがなくて遠くまで見えます。
このような状態です。
3つめは、人の心など見えない部分を見抜くことです。
洞察ということもできます。
4つめは、将来のことを推測することです。
現在の状況から未来の結果を推測する意味だけでなく、それまでの過程を推測する意味も含んでいます。
「見通し」の使い方
最初から終わりまで見続ける意味では、「テレビドラマを見続ける」のような使い方をします。
遠くまで見通せることでは、「見通しがよい展望台」のような使い方です。
将来を推測する意味では、「停電の復旧の見通しが立った」のような使い方をします。
「見通し」を使った例文
・『物資供給の見通しが立つ』
・『映画を何本も見通す』
・『企業の見通しを語った』
・『見通しがよいと話題のスポット』
・『売り上げが伸びる見通しです』
「見通し」の類語
「見込み」「見当」が類語です。
「見当」には、はっきりしていない将来のことをだいたいで予想することという意味があります。
「見通し」の対義語
将来を推測する意味の対義語は「確定」です。
「見込み」の意味
「見込み」には、5つの意味があります。
1つめは、これから先の見当のことです。
現在高校3年生で、春には卒業をする予定です。
しかし、出席日数が足りないなど何らかの理由で、卒業できない可能性もあります。
つまり、おおよその見当です。
こういったことが「見込み」になります。
2つめは、将来の可能性です。
入社したばかりで、まだまだ力を発揮できていませんが、将来は出世をして活躍してくれそうな人がいたとします。
将来活躍するかもしれないとは、可能性のことです。
こういった可能性を「見込み」といいます。
3つめは、茶碗の内側の底のあたりのことです。
4つめは、建築で奥行きや部材の側面のことです。
5つめは、外観のことです。
「見込み」の使い方
見当の意味では、「春に卒業の見込みです」のような使い方をします。
将来の可能性の意味では、「見込みのある青年だ」のような使い方をします。
そうなって欲しいという期待の気持ちが込められています。
「見込み」を使った例文
・『気温が一気に上昇する見込みです』
・『改装工事は来月にも完了する見込み』
・『見込みのある選手だ』
・『明後日には結果が出る見込み』
・『これなら志望校に合格できる見込みだ』
「見込み」の類語
「見通し」「見当」が類語です。
「見込み」の対義語
将来の推測の意味の対義語は「確定」です。
まとめ
どちらの言葉も将来を推測するという意味を持っていますが、それ以外にも意味もあり、その点に違いがある言葉です。