厳しい先生に叱られそうになって緊張したことはありませんか。
厳しいという言葉で表せば簡単ですが、熟語では「厳格」になるのか、「厳重」になるのか、あるいは「厳密」になるのか、どれに該当するのでしょうか。
この記事では、「厳格」と「厳重」と「厳密」の違いを分かりやすく説明していきます。
「厳格」とは?
不正・怠慢・ごまかし・失敗などを全く許さない厳しい態度や、厳しくて少しも手加減しない様子のことです。
人柄や家柄に使うことが多く、頑固であり、融通が利かないという意味合いもあります。
「厳格」の例文
「厳格」の例文を紹介していきます。
・『私は厳格な家庭で育ったので、礼儀作法は大体身についています。』
厳格な家庭、厳格な親など、厳しいしつけをされたときに使います。
・『あなたは厳格な審査に通った優秀な人材です。』
既存の基準を一切変えず、人の適性を見る厳しい審査を、厳格な審査と言います。
「厳重」とは?
厳しくことに当たり、厳かでいかめしい様子です。
妥協せず厳しく手順やルールを守ったり、徹底的に注意を払ったりするという意味です。
行為や表現に対して用います。
念のために厳しい確認作業をし、悪いことが起こらないようにするときに使います。
「厳重」の例文
「厳重」の例文を紹介していきます。
・『一度万引きの被害に遭っているので、店長は厳重に警戒しています。』
二度と万引きの被害に遭わないように細心の注意を払うことを意味しています。
・『彼は仕事に何度も遅刻したので、厳重注意されました。』
何度も繰り返している同じ過ち、絶対にしてはいけない失敗など厳しく注意してほしいことは、厳重注意と言います。
「厳密」とは
細かな点まで厳しく行う様子です。
細かいところまで注意が行き届いているという意味もあります。
行為や表現に対して使われます。
「厳密」の例文
「厳密」の例文を紹介していきます。
・『厳密に言うと、ハムスターなど小さな動物もこのマンションでは飼ってはいけません。』
「厳密に言うと」とは、細かいところまで注意して、正しく言おうとすると、という意味です。
・『厳密な審査の結果、これは偽札ということが分かりました。』
非常に小さな細かいところまで審査した結果ということを表しています。
「厳格」と「厳重」と「厳密」の違い
「厳格」と「厳重」と「厳密」は厳しいという言葉でまとめられますが、使われる場面が少しずつ違います。
「厳格」は人の性質やしつけに使うことが多く、元々あったものから変えない頑固な厳しさ、「厳重」は悪いことが起こらないように確認するための厳しさ、「厳密」は細かいところまで注意を払っている厳しさ、という違いがあります。
まとめ
厳しいと言ってしまえば簡単ですが、「厳格」と「厳重」と「厳密」を上手く使い分ければ、どんなふうに厳しいのか相手に詳しく伝えられます。
厳しい先生は「厳格」な先生と表し、頑固で融通が利かないような厳しさを表現できることで、恐ろしさがより伝わるでしょう。
「厳密」に言えば、人の性質に対して使えるのは「厳格」のみになりますので、「厳重」注意しましょう。