この記事では、「下剋上」と「革命」と「一揆」の違いを分かりやすく説明していきます。
「下剋上」とは?
立場や地位が下である者が、上の物にとって替わることです。
「下剋上」という現象は現代でも起こるものです。
しかし、南北朝期から戦国時代にかけての時代に支配者の側から見て、反乱を起こしたり秩序を乱す動きをこう呼びました。
建武政権を風刺した「二条河原落書」には“下剋上する成出者”と記されたりしています。
時代ごとに「下剋上」の動きは違いますが、主に百姓が領主に対して一揆をおこしたりしたものを言います。
また戦国時代には、主家を奪い取った斎藤道三が下剋上の顕著な例です。
戦国時代には、世の中の混乱期であった為にこのような現象が多くみられました。
「革命」とは?
前の王朝がくつがえって別の王朝がかわって統治することです。
また、支配されている側が支配しているものを倒して政権を握ることです。
フランスの絶対王政が倒されて人権宣言による万民の平等が謳われたもので「フランス革命」が有名です。
また統治するものが変わらない場合においても、物事が急激に発展や変革をする場合に使用されることもあります。
「産業革命」や「流通革命」などがそのようなものです。
「一揆」とは
日本の中・近代社会に農民や百姓などが団結して領主などに反乱を起こすことです。
1428年の「土一揆」では年貢の減免や新税賦課反対、徳政を求めました。
「土一揆」を組織、指導したのは“国人”と呼ばれる地方に土着した武士たちで、名主・地侍らの農民が主体でした。
また戦国時代になると、宗教的な反乱が起こるようになります。
これを「一向一揆」と呼びます。
しかし信仰的な結合というよりは、国人が大名などに抵抗するために農民を巻き込んだような性格が強いです。
「下剋上」と「革命」と「一揆」の違い
どの言葉も、支配される側の人が支配する側に反乱を起こすという大きな意味では似たものがあります。
しかし、これらの言葉はわりとはっきり使い分けられている言葉です。
「下剋上」は下の立場ものが、上の者に勝って立場が逆転された場合に用いることが多いです。
結果、立場が逆転できずに終わってしまった場合は、「下剋上は果たせなかった」などと言います。
「革命」は統治するものや物事が大きく変わった場合に使われます。
変えようとして結果変わらなかった場合には使いません。
「一揆」は下の立場であるものの反乱の事を指しますので、結果がどうなったかは関係なく使用することができます。
「一揆」のに要求が通った場合でも、通らなかった場合でも両方で使うことができます。
また、「一揆」は歴史的な言葉で近世に起こった反乱の事を言います。
まとめ
今回、この言葉を解説するまではこれらの言葉が似たような意味を含んでいる実感がありませんでした。
そのくらい使い分けられている言葉です。
革命以外の言葉は、少し歴史的な用語のためあまり日常で用いられる事はありませんが、しっかり使い分けたいです。