この記事では、「読破」と「完読」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
読破と完読の違い
「読破」は、難しい書籍やページ数・冊数の多い書籍を最後まで読み通すことを意味します。
「完読」は、書籍などを最後まで読むことです。
2つの言葉の違いは、読む書籍の難しさやページ数・冊数です。
「読破」には書籍などを読み通すという意味があり、読み通す書籍は、難解なもの、長編のものを指しています。
難しい書籍を最後まで読むのには、読書に慣れている人でも苦労をすることが珍しくありません。
「読破」には、苦労をしながら読むという意味が含まれています。
「完読」は、どのような書籍なのかを問いません。
難しくない書籍、ページ数が少ない書籍に対しても「完読」といいます。
読破と完読の使い方の違い
書籍などを読み通すことに使われる言葉ですが、どのような書籍なのかによって、「読破」を使うのか、「完読」を使うのか違います。
難しい書籍、ページ数のある書籍は、「読破」を使用します。
内容が難しくない書籍に対しては「完読」を使用します。
ただし、「完読」の意味には書籍の難しさ、ページ数などの意味は含まれていないので、難しい書籍、ページ数のある書籍にも使うことができます。
「完読」の方が使われる幅が広いです。
読破と完読の英語表記の違い
「読破」は英語で“read”と表記をします。
“read”には、文章などを読んで理解する、声に出して読む、読んで学ぶという意味があります。
「完読」は英語で“read”と表記をします。
読破の意味
「読破」とは、難しい書籍やページ数・冊数が多い書籍を読み通すことです。
難しいの基準は人によって異なりますが、古典などは難しい書籍とされることが珍しくありません。
ページ数や冊数が多いの基準も人によって異なります。
『カラマーゾフの兄弟』というドストエフスキー作の物語があります。
この書籍は難しい書籍と多くの人からいわれています。
さまざまな出版社から出版されていますが、新潮文庫のものだと上・中・下の3巻があり、上巻だけで667ページあります。
このような書籍を読み通すことを「読破」といいます。
読破の使い方
内容が難しい、ページ数や冊数が多いと感じられる書籍を読み通すこと、読み通したときに使われる言葉です。
読書好きでない限り、内容が難しい書籍を読むことに抵抗を感じることでしょう。
しかし、難しいといわれている書籍でも、興味を持って読みたいと感じることはあります。
興味があるので、どんなに難しくても読み切ろうとします。
やっとの思いで読み終わったとき、それを「読破」といいます。
難しい書籍、ぺージ数や冊数がある書籍を読み通すことは苦労をし、苦労をすることをやり通したときには、誇らしげな気持ち、やり通したという気持があります。
「読破」は書籍を読み通して誇らしさを感じるときに使われることがあります。
読破を使った例文
・『やっとの思いで読破した』
・『全15巻ある書籍を読破した』
・『英語の原書を読破する』
・『読破するのに1年近くかかった』
・『読破したなんてすごいね』
読破の類語
「読了」「読過」です。
「読了」とは、ある程度の長さのある書物などを読み終わらせることです。
「読過」は、中断しないで読み終えることを意味します。
読破の対義語
読み終わらせていないことを意味する言葉が「対義語」です。
「積ん読」「未読」などがそれにあたります。
完読の意味
「完読」は、書籍などを読み通すことです。
「完」という漢字には、まっとうする、やりとげるという意味があり、「読」という漢字には、よむという意味があります。
読むことをやり遂げる、つまり読み通すという意味が、漢字から読み取ることができます。
「完読」が意味する書籍は、どのようなものか問いません。
難しいもの、優しいもの、ページ数が多いもの、少ないもの、どのようなものでも、読み通せば「完読」になります。
完読の使い方
どのようなものでも、書籍などを読み通すことに使われます。
雑誌のようなページ数が少ないものでも、読み通せば「完読」です。
漫画でも、すべての巻を読み通せば「完読」になります。
どのような書籍なのか問わないので、幅広く使われている言葉です。
完読を使った例文
・『全100巻以上ある漫画を完読した』
・『まだ完読できていない』
・『完読することが目標です』
・『君があの書籍を完読したら、僕に貸てくれない?』
・『完読できていない本が多い』
完読の類語
類語は「読了」です。
「読了」は書籍などある程度の長さがあるものを読み終えることを意味します。
「了」という漢字には、おわる、おえるという意味があります。
完読の対義語
「積ん読」「未読」などが対義語です。
まとめ
どちらも同じような意味を持っているのですが、どのような書籍なのかという点で意味が違う言葉です。