「自身」と「自分」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

この記事では、「自身」「自分」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「自身」と「自分」の違い

「おのれ」「自己」といった意味を持つ「自身」「自分」

意味としては同じですが、「私」「僕」「俺」といったように一人称として用いることができるか、できないか、といった違いがあります。

「自分」の場合、「私は○○です」の代わりに「自分は○○です」と表すことが可能です。

その一方、「自身」「私」の代わりし、「自身は○○です」と表すことはありません。

このように、「自身」を一人称として用いることはできません。

「自身」には、人や物を強調する際に用いる言葉となり、「自身」だけで用いるのではなく「私自身」「彼自身」といったように用いる言葉となります。


「自身」と「自分」の使い方の違い

単独で使用することが多い「自分」と何かの跡に使用することが多い「自身」

そのような使い方の違いがあります。

「自分」は、「私」「僕」「俺」などおのれを指す際に単独で文章中に用いることができます。

一方、単独で用いることができない「自身」の場合は、「私」「僕」「俺」

そして、「自分」の跡に付け加え用いることが多くなり「私自身」「僕自身」「俺自身」「自分自身」といったように用いられます。


「自身」と「自分」の英語表記の違い

「自身」の英語表記は、self; ego; oneselfです。

「私自身の」は、(of) my own
「あなた自身で」は、by yourself
「自分自身」は、one’s own selfなどとなります。

「自分」の英語表記は、selfです。

「自分の」は、one’s own/personal/private
「自分で」は、〈親しく〉 personally; in person; 【形式ばった表現】 in one’s (own) person
〈1 人で〉 by oneself/〈自分のために, 独力で〉 for oneself/〈勝手に〉 of one’s own accord [free will]/〈自前で〉 on one’s own account 「自分から」は、of one’s own accord/voluntarily
「自分勝手な」は、selfish/【形式ばった表現】 self‐seeking/【形式ばった表現】 egoisticなどとなります。

「自身」の意味

自分自ら、自分、自己、おのれ、私、俺、そのもの自体、といった言ものある「自身」

自分のことを指すことが可能な言葉ですが、「自身」のみで使用することができない特徴を持っています。

「自身」の場合、一人称として用いることはできず、代名詞と共に使用する必要があります。

「自身」の使い方

「自身」は様々言葉とセットで使用されることが基本となる言葉です。

そのため、数多くの使い方があり、「自分自身」「私自身」「俺自身」「僕自身」とおのれのことを示す使い方をはじめ、「彼女自身」「彼自身」「あなた自身」「君自身」と相手のことを指す場合にも用いられます。

そのほか、「ご自身」といった使い方もあります。

「自身」を使った例文

・『彼自身の考えは、周りが何といっても変えることはできないだろう。』

・『自分自身の今後を真剣に考えたいと思っています。』

・『これは、俺自身が決めた結果です。』

・『この件について、君自身、どのように考えているのですか。』

「自身」の類語

その人自身を意味する「自身」の類語には、「自家」「本人」「己」「自己」「吾」「我」などがあります。

「自身」の対義語

「自身」の対義語には、明確なものはありません。

「自分」の意味

一人称の人代名詞となる「自分」

自分自ら、おのれ、自己、私、俺、など、自分のことを指す際に用いる言葉となります。

また、三人称としても用いられることがあり、第三者に対し用いることができます。

その場合、話し相手のことを表します。

「自分」の使い方

「私」「僕」「俺」の代わりとして「自分」を使用する使い方としては、「自分は」「自分が」「自分の」「自分で」「自分を」といった主語として用いることが多くなります。

そのほか、「自分のこと」「自分だけ」「自分の意見」「自分の思い」「自分の考え」「自分の家」「自分の車」「自分のすべて」「自分の母」「自分の写真」などおのれのものや特定のことを示す使い方。

また、おのれの状況、気持ちを表す使い方として、「弱い自分」「強い自分」などといった使い方があります。

「自分」を使った例文

・『母の口癖は「自分のことは自分でしなさい」です。』

・『「頑張れ自分」と自分で自分を励まし続け大学受験に臨みました。』

・『ご飯は自分一人で食べるより大勢で食べたほうが断然おいしいです。』

・『周りに、なかなか、自分の意見を理解してもらうことができません。』

「自分」の類語

「自分」には、おのれのことを意味する場合とおのれのことを指す場合、そして、相手を呼びかける際の意味があります。

そのため、それぞれ対し類語があり、おのれのことを意味する類語には、「自家」「本人」「己」「自己」「吾」「我」などがあります。

次におのれのこと指す意味の類語には、「わたし」「ぼく」「拙者」「小生」「手前」「当方」などがあります。

最後、相手を呼びかける際の意味としては、「あなた」「お前」「君」「お宅」「貴様」「あなた様」「その方」などがあります。

「自分」の対義語

「自分」の対義語は主に2つあります。

1つ目は「相手」です。

「自分」がおのれのことを意味する言葉に対し、「相手」は、一緒に何かするもう一方の人といった意味があります。

2つ目は「他人」です。

「自分」がおのれのことを意味する言葉に対して、「他人」は、自分以外の人、ほかの人、といった意味があります。

まとめ

以上が「自身」「自分」の違いです。

日常的に良く用いられる言葉となるため、正しい使い方が常に問われる言葉とも言えます。

そのため、必ず間違った使い方を行わないよう注意が必要です。

おのれという意味は同じですが、「自身」には「そのもの」といった意味があり、「私自身」といったような使い方が一般的です。

一方、「自分」の方は、単独で用いられることが多く、「自分は」といったように話の主語として用いることが多い言葉となります。