この記事では、「母体」と「母胎」の違いを分かりやすく説明していきます。
「母体」とは?
「母体」とは子を生んだ母親の体を指す言葉です。
そこから転じて、組織や思想などが発達し、細分化してそれからいくつかの組織や思想が生まれた後に、その生まれた組織や思想にとっての基盤となった組織や思想を指すことにも使われます。
どちらもその存在を生んだ存在を指しているという点は共通です。
「母体」という言葉は、あくまでも子を作り出した人、あるいは派生した組織や思想を生んだ基となるものだけを指します。
その母親が胎内で育てている胎児や、新しい組織や思想は「母体」に含まれません。
子に当たるものと、それを生んだものの、親子関係や組織として現在どういう関係になっているかは問わず、それを生んだものという事だけを示す言葉としても使われるのが「母体」です。
「母胎」とは?
「母胎」とは胎児を育てている母親の胎内、胎児を作り育てるための器官を指します。
そこから転じて、何かを作るためのもととなる基盤も指す言葉です。
生物の「母胎」という場合、子宮などの胎児を育てる内臓を指しますが、胎児がいない状態では「母胎」とは言わず、胎児を育てている状態の場合だけ「母胎」として扱われます。
そのため胎児を発育させる器官だけでなく、中で発育されている胎児も含めて「母胎」扱いされることも多いです。
何かを作る基盤という意味での「母胎」は、「母胎」が子供を作るためのもとになることから来ていますが、実際に何かを生産する機械や道具に使われるとは限りません。
物質的に何かを作っているものではなく、様々なアイデアやひらめき、インスピレーションを作り出すもととなったものを「母胎」と表現することが多いです。
「母体」と「母胎」の違い
「母体」と「母胎」の違いを、分かりやすく解説します。
子供を生む前後の母親の体全体が「母体」で、胎児を作り育んでいる部分や胎内が「母胎」です。
「母体」は母親の体だけで胎児は含まれませんが、「母胎」は胎児を含めることも多々あります。
また「母体」は胎児を産む前から産んだ後も使われますが、「母胎」は胎児が中にいる間だけしか使われません。
元の意味から派生した意味としては、どちらも新しいものを作る基となったものですが、「母体」はすでにある組織や思想から発展派生させて何かを作る場合の、派生元を指す言葉です。
それに対して「母胎」は、新しいアイデアや発想を与えた事柄、そういったものを発展させる下敷きとなったものを指すのに使われます。
まとめ
母親の体全体を指すけれど胎児は含まないのが「母体」、母親の子宮とその内部だけしか指さないけれど胎児も含まれるのが「母胎」です。
それらから派生した意味もそれぞれありますが、「母体」は派生した何かを生むもととなった派生元、「母胎」は新しい何かを生む発想を与えたものというような使い分けがされています。