この記事では、「母体」と「母親」の違いを分かりやすく説明していきます。
「母体」とは?
「母体」とは子に対して女親にあたる相手の体を指す言葉です。
人に使われる機会が多いですが、動物でも「母体」という言葉は使われます。
子と親という関係性ありきで使われる言葉というわけではなく、母子の体調などを診る医者などの立場にある人が、母の方を指す場合に使う言葉です。
出産時には母も子も命の危険がありますが、何らかの緊急事態が起きた時に、母と子のどちらに異変が起きたのかを区別するために、母側の体に何かが起きているなら「母体」と言われます。
また「母体」は文字通り、母の体だけを指す言葉でしかないので、母が精神的にショックを受けたり、錯乱状態になった場合でも、それは心の問題であり体の問題ではないため、「母体」に異変が起きたとは言いません。
「母親」とは?
「母親」とは子に対して女親の関係にあたる女性を指す言葉です。
人と人の関係性について使われる言葉であり、身体や精神の状態などは全く関係ありませんが、当事者間での交流は関係する場合も関係しない場合もあります。
たとえば血縁上は血が繋がっているものの、出産以来全く関わっていない場合でも「母親」ですし、逆に血縁関係はなくても女親として接し続けていた女性は、子からも社会からも「母親」とみなされるものです。
血の繋がりやどう接しているか、自分にとってどんな相手だと認識しているかなど、なにをもって母と呼ぶかは時と場合によって違いますが、その時求められている基準で女親の関係にある女性が「母親」になります。
「母体」と「母親」の違い
「母体」と「母親」の違いを、分かりやすく解説します。
子に対して女親にあたる相手の体を指す言葉が「母体」で、子に対して女親にあたる相手を指す言葉が「母親」です。
「母体」は基本的に医療関係など母子の健康に関わる場所や場面でのみ使われますが、「母親」は日常的にあらゆる場面で使われます。
まず「母親」という、女親にあたる関係を指す言葉があり、母子の体を同時に、かつ区別して扱う必要がある場合に、「母親」の体を簡潔に指すための言葉が「母体」です。
そのため「母体」は区別した上で対象の体だけを指す言葉ですが、「母親」はそれぞれの関係性を指す言葉になります。
また「母体」には組織や思想といったものが生まれる前の基盤、何かが派生したものの派生元という意味がありますが、「母親」には子に対する女親という意味しかありません。
まとめ
最初に子と親の関係性を指す「母親」という言葉があり、医療などで子と親両方の体を診る必要がある場面で、どちらの体かを区別するための言葉が「母体」と「母親」です。
日常生活の中では、妊娠期間中に定期診察を受けてその結果を伝えるときくらいにしか、「母体」を使う機会はないでしょう。
一方で「母親」は子と女親の関係を指し示すなら、日常生活の中でも普通に使われる言葉です。