「威張る」と「昂る」と「高ぶる」は同じような意味を持つ言葉と思われがちですが、詳細な意味が異なるため区別して認識することが必要です。
この記事では、「威張る」と「昂る」と「高ぶる」の違いを分かりやすく説明していきます。
「威張る」とは?
「威張る」は「いばる」と読む表現で、「強さを誇示したり威勢を張ったりして偉ぶった態度をとること」という意味を持ちます。
主に、誰かが他の人に対して横柄な振る舞いや傲慢な言動をとる状況で使用されています。
「威張る」の例文
「威張る」は「威勢を張って尊大に振舞うこと」あるいは「上記のような態度をとる人に遭遇したとき」に用いられる言葉です。
分野を問わず、日常生活の様々な状況で使用できる表現といえます。
・『彼は自分のことは棚に上げていつも威張っている』
・『彼女は人当たりは良いが、自分より立場が下の人に威張る傾向がある』
「昂る」とは?
「昂る」は「たかぶる」と読む言葉で、「感情や神経が高揚すること」や「興奮した様相になること」といった意味を持ちます。
「偉ぶった振る舞いをすること」という意味も含みますが、一般的には前者の意味で使用されるケースが多いと考えられています。
「昂る」の例文
「昂る」は主として「神経や気分などが高揚したり興奮したりする際」に使用され、「神経が昂る」や「気持ちが昂る」といった使われ方をしています。
・『就寝前にコーヒーを飲んだせいか神経が昂って眠れない』
・『明日の試合に挑むにあたって気持ちが大いに昂っている』
「高ぶる」とは
「高ぶる」は「たかぶる」と読み、「気分や感情が高揚すること」や「興奮すること」といった意味を持つ言葉です。
上記のほか、「自慢する」や「横柄で思い上がった振る舞いをすること」という意味も持ち合わせています。
「高ぶる」の例文
「高ぶる」は、「気分などが高揚すること」と「尊大な振る舞いをすること」の二つの意味を示す表現として知られています。
「感情が高ぶる」や「奢り高ぶる」といった使われ方をしています。
・『プロジェクトの完遂を目前にして、いつになく感情が高ぶった』
・『彼は素直で優しい人間だったが、成功してから周囲の人に対して奢り高ぶった言動をとるようになった』
「威張る」と「昂る」と「高ぶる」の違い
「威張る」と「昂る」と「高ぶる」が持つ共通の意味合いは「横柄で偉そうな言動をとること」ですが、「昂る」と「高ぶる」は上記に加えて「感情や神経が高揚すること」という意味があります。
ただし、「昂る」の場合は「横柄で尊大に振舞うこと」よりも「神経や気持ちが高揚すること」という意味で用いられることが多いといわれています。
まとめ
「威張る」と「昂る」と「高ぶる」には共通の意味合いがあるためより混同しやすい傾向がありますが、それぞれが持つ細かな意味に着目して使い分けることがポイントです。
三つの言葉の意味や用法を学んで、語彙力アップの参考にしてください。