この記事では、「底地」と「借地」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「底地」と「借地」の違い
「底地」と「借地」はとても混同しやい言葉です。
何故なら同じ土地に対して立場により呼び方が変わるためです。
地主が所有している土地を「借地」と呼び、借地人が地主から借りている土地「借地」と呼び、「借地」に建てられた建物には借地権が発生するため、一つの土地に土地の所有者である地主と、建物の所有者である借地人の二人がいる状態が起きるため、混同が起きる原因になっています。
ですから、「底地」とは、借地人の建物が立っている地主の土地、「借地」とは建物を建てる為に地主から借りた土地という呼び方の違いがあります。
その違いは立場での呼び方だけですので、物理的な土地は他人が見た時には同じです。
「底地」と「借地」の使い方の違い
「底地」という言葉は、地主さんの立場から見て、所有している土地の事を指す場合に使われます。
「借地」という言葉は、地主さんから土地を借り、建物をその土地に建てた借地人から見た場合に、その土地は「借地」と言われます。
どちらも、傍から見た場合は同じ土地ですが、その土地に関わる人の立場により呼び方が変わるという事になります。
「底地」と「借地」の英語表記の違い
「底地」の英語表記としては“limited proprietary right of land”などと表現されます。
対して「借地」は“leased land”と表現されます。
「底地」の意味
「底地」とは、「そこち」と読み、借地権が設定されている土地のことを指し、「底地」の所有者を「地主」、土地を借りている人を「借地人」と言います。
「底地」を所有する人は、その土地を貸す事で賃料を受け取れる権利や、契約更新などの際に一定の金銭を受けとれる権利があります。
また借地人が他の人に借地権を売買する場合には「底地」の所有者の承諾が必要であり、その際も金銭のやり取りが行われます。
このように「底地」は他人に貸す事で利益を得る土地という意味でもあります。
ただ、「底地」は土地権利の関係で、「底地」だけを売却することが難しいとされていて、不完全所有権とも言われています。
「底地」の使い方
「底地」は、その土地を所有している地主から見た場合の土地に対して「底地」と使われます。
ですので、地主の人からの目線や、地主の人の立場に立って話す場合にこの「底地」と言う言葉が使われます。
それ以外のその土地と関わり合いの無い人にとってはただの土地であり、「底地」という言葉は使用されませんし、そこの土地を借りて、その土地を利用したり、建物を建てたりしている人もその土地の事は「底地」とは呼ばず、後述する「借地」と言う別の呼び方で呼びます。
「底地」を使った例文
・『先代の父から譲り受けた土地は、底地として友人に貸している』
・『底地として貸している土地を、借りている人に売りたいのだが、なかなか交渉がうまくいかない』
・『底地としての利益は、思ったほど多くはない』
・『土地を底地として貸したいと思っている』
・『50年前から貸している底地の価値は減少する一方だ』
「底地」の類語
「底地」の類語として多少の意味の違いはありますが、「所有地」などがあります。
「借地」の意味
「借地」とは、「しゃくち」と読み、他人から借りている土地の事を指します。
「借地」には借地権という権利があり、土地を借りた人がそこに自分の建物を建てたりするような土地を利用できる権利を指します。
地主に借りた土地に建物を建てた場合、その土地は借りた人から見ると「借地」となるという事になります。
ですので、その土地を貸している地主さんや、その土地に関係のない他人から見ると、その土地は「借地」とは呼びません。
借地人は、その土地の地主さんから、その土地を購入する事も可能ですが、土地代などを考えた際にそのまま購入しない方がよかったりする場合があり、一概に購入する事がよいとは限りません。
「借地」の使い方
「借地」とは、建物を建てるために地主から借りた土地に対して、その借りた人の立場から使う言葉となります。
ですので、その土地を元から所有している地主さんの立場からは、同じ土地であっても「借地」という言葉は使用されません。
「借地」を使った例文
・『地主さんから借りた借地に新しく家を建てる』
・『借地として10年経過した私の家の土地を購入しようか迷っている』
・『地主さんから、土地を買ってくれないかとの話があったが、借地として利用している現状の方が得なので断った』
・『借地として借りていた土地を、地主さんが勝手に売ってしまいトラブルになりそうだ』
まとめ
「底地」は、その土地を所有している地主さんから見た場合の土地を指す言葉で、「借地」とは、その土地を借りた人から見た場合の土地を指す言葉です。
どちらも同じ土地を指すので非常に混同しやすい言葉です。
どちらの目線で使用されているかどうかで言葉が違ってくると言う事になります。
