「ホロコースト」と「ジェノサイド」の違いとは?分かりやすく解釈

「ホロコースト」と「ジェノサイド」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「ホロコースト」「ジェノサイド」の違いを分かりやすく説明していきます。

「ホロコースト」とは?

「ホロコースト」とはナチスドイツによるユダヤ人の虐殺についた通称です。

元々はユダヤ人の宗教的行事である家畜を丸焼きにすることで神への生贄とする儀式が本来の「ホロコースト」になります。

大戦中にナチスは「ホロコースト」と同じようにユダヤ人を火の中に投げ込んで殺しているという噂が定着しており、それからナチスによるユダヤ人の大量殺戮が「ホロコースト」と呼ばれるようになりました。


「ジェノサイド」とは?

「ジェノサイド」とは国や民族を再起不能にさせ絶滅を最終目標として計画的に破壊することを指します。

人間そのものを直接大量に殺害することを指すと思われがちですが、直接的ではなくとも結果的に大勢死んでしまうようなこと、新しく生まれないようにすることも「ジェノサイド」です。

例えば特定民族を隔離し医薬品や食料品の流入量を制限したり、特定民族集団で男女を完全に隔離するなども「ジェノサイド」になります。


「ホロコースト」と「ジェノサイド」の違い

「ホロコースト」「ジェノサイド」の違いを、分かりやすく解説します。

ナチスドイツによるユダヤ人の大量虐殺が「ホロコースト」で、特定民族や国家などを計画的に死滅させることが「ジェノサイド」です。

「ホロコースト」は大量に殺害させることのみを指しますが、「ジェノサイド」は結果的に数を減らすために出生できなくさせるなど間接的なものも含みます。

また言葉としては「ホロコースト」はユダヤ人の儀式として由緒ある言葉ですが、「ジェノサイド」は1944年に生まれた比較的新しい言葉です。

まとめ

「ホロコースト」は歴史上で起きた特定の大量殺害の通称的な名称ですが、「ジェノサイド」は国家や民族の死滅を目的とした計画的破壊行動を指す言葉になります。

そのためもしこれから国家による大量殺戮が起きても「ホロコースト」とは呼ばれず、「ジェノサイド」と呼ばれるようになるでしょう。