「師範」と「師匠」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「師範」と「師匠」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「師範」「師匠」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「師範」と「師匠」の違い

「師範」には、2つの意味があります。

1つめは、人が見習うべきとする人となることです。

もう一つは、学問や技術などを身につけさせようとする人のこと、またその資格です。

「師匠」には、3つの意味があります。

1つめは、学問や技術などを身につけさせようとする人。

2つめは、歌舞音曲や茶の湯などの遊びや楽しみのための芸事を教える人です。

3つめは、寄席芸人に対する敬称です。

どちらの言葉にも、教え導く人、手本となる人という意味を持つ漢字の「師」が使用されている通り、2つの言葉には教え導く人という意味が含まれています。

どちらの言葉もほぼ同じ意味です。

しかし、何を教えるのか若干違います。

学問や技術を教える点では意味は同じです。

「師匠」の場合は、歌舞音曲、茶の湯、生け花など遊芸を教える人のことも意味しています。

また、「師範」には教える人であるという資格の意味もあります。

この意味は「師匠」にはありません。


「師範」と「師匠」の使い方の違い

教える人の意味でどちらの言葉も使うことが可能です。

学問や技術については、どちらの言葉も使用されます。

芸事については「師匠」を使用します。


「師範」と「師匠」の英語表記の違い

「師範」は英語で、教える人の意味では“instructor”と表現をし、手本の意味では“model”“example”と表現をします。

「師匠」は英語で“teacher”“master”と表現をします。

「師範」の意味

「師範」には、2つの意味があります。

1つめは、見習うべき人のことです。

「範」という漢字には、てほん、のりという意味があり、このことからも手本を意味する言葉であることがわかります。

見習うべき人といわれるような存在になるには、よっぽど立派でないと難しいことでしょう。

たとえば柔道の場合だと、柔道の技術的なことだけでなく、礼も大切にされています。

礼は口で言って教えられるものもありますが、人の姿を見て覚える面もあります。

あいさつをしっかりする、人の迷惑になることはしないなどは、「師範」といわれる人の姿を見て学びます。

このように手本となる人のことを指す言葉です。

もう一つの意味は、学問や技術などを身につけさせようと指導する人のこと、またその資格のことです。

書道の場合、文字を美しく書くために先生が教えてくれます。

これは技術を身につけさせようと手引きしているということができます。

このような行為を意味する言葉です。

また、資格の意味もあり、書道には書道師範という資格があります。

公的なものではなく、各書道団体が独自に認めているものです。

いきなり「師範」になることはできず、書道教室に通ってこつこつと階段を上っていくことが大切とされています。

その他にも空手、柔道、日本舞踊、華道、剣術などでも「師範」がいます。

技術の意味では、武術や芸実のことを主に指しています。

「師範」の使い方

教える人のこと、手本となる人のことを指して使用をします。

学問を教える人のことや、技術では空手、柔道、日本舞踊など、伝統的な舞踊や武術などについて使われることが多くあります。

何かを習っている人が使うことの多い言葉で、普段生活しているときには一般の人はあまり使いません。

「師範」を使った例文

・『師範になるために学んでいる』
・『師範に教えてもらっている』
・『師範が個展を開いた』
・『師範として多くの生徒を教えてきた』

「師範」の類語

「師」「師匠」が類語です。

どの言葉もほぼ同じ意味を持っています。

「師」は幅広く使われる言葉です。

「師範」の対義語

教える人ではなく教えられる人という意味で「生徒」「弟子」です。

「師匠」の意味

「師匠」には、3つの意味があります。

1つめは、学問や技術などを身につけさせようと指導する人のことです。

「匠」という漢字には、先生という意味があり、このことからも教える人のことを意味していることがわかります。

技術については、機械を動かす技術などのことではなく、武術や芸術のことを指しています。

将棋のプロを目指す人たちが集まる養成機関があります。

その養成機関に入るためには、「師匠」につく必要があります。

特別指導することはあまりありませんが、「師匠」はなくてはならない存在です。

落語でも「師匠」がいて、弟子となってさまざまなことを学んでいきます。

教えてくれる存在です。

落語には流派があり、どの流派に入りたいか、どの「師匠」につきたいかなどを選び、弟子となります。

2つめの意味は、歌舞音曲、生け花、茶の湯など楽しみのために行う芸事を教える人のことです。

生け花をやりたいと思った人は、本を見て自分で何とかやろうとするのではなく、たいていは「師匠」について教えてもらいます。

茶の湯に関係する書籍は数多く出版されていますが、茶の湯のことを知りたい、自分でお茶をたてられるようになりたいと思ったら、「師匠」に教えてもらうことが一般的です。

こういった教える人のことを指しています。

3つめの意味は、寄席芸人の敬称です。

「師匠」の使い方

学問や技術を身につけさせようと指導する人のことについて使用をします。

技術については、武術、芸術などのことを指しています。

生け花や茶の湯などは楽しみのためですが、芸術といえるでしょう。

学問、武術、芸術などを習っている人が主に使いますが、教えてくれるような存在という意味で使うこともあります。

「師匠」を使った例文

・『師匠の言葉を今でも覚えている』
・『師匠が厳しすぎる』
・『珍しく師匠が褒めてくれた』
・『師匠となってくれる人を探している』

「師匠」の類語

「師」「師範」が類語です。

「師匠」の対義語

「生徒」「弟子」が対義語です。

まとめ

どちらの言葉にも教え導く人という意味があり、ほぼ同じ意味を持っている言葉です。

学問や武術、芸術などについては、どちらも同じ意味を持っていて、同じような事柄に使われることがあります。