映画やコミックなどの作品に対して使われる言葉に「リメイク」と「スピンオフ」と「リマスター」があります。
ヒット作や名作に関連するこれらの言葉は具体的に何を表しているのでしょうか。
今回は、「リメイク」と「スピンオフ」と「リマスター」の違いについて解説します。
「リメイク」とは?
「リメイク」とは、「新しく作りなおすこと」を意味する言葉です。
映画やドラマなどの作品に用いる場合は「過去に発表された作品を新たなキャストや技術を用いて新しく作ること」という意味で使われます。
「リメイク」では元となる作品の大筋はそのままにキャスティングや演出、機材など最新の技術を用いて新しく作り直しが行われます。
一般的には過去にヒットした名作を現代のキャストと技術で作りなおした作品や元となる作品を換骨奪胎し現代風に再生したものが「リメイク」です。
「リメイク」という表現は元となる作品や素材をそのまま活かしたものに対して使われる言葉なので内容が大きく変わった場合は「リメイク」ではありません。
「リメイク」の例文
・『名作映画がリメイクされることになった』
・『リメイク版のキャスティングは魅力に欠ける』
「スピンオフ」とは?
「スピンオフ」とは、「ある作品から派生して作られる作品」を意味する言葉です。
脇役を主人公に据えた作品や本編では語られなかったストーリーを描いた作品など「元となる作品に付随する派生作品」を「スピンオフ」といいます。
世界観やキャラクターが共通していたりストーリー上のつながりがあったりなど「元になる作品があるおかげで制作された作品」が「スピンオフ」です。
キャラクターや用語が共通しているだけではなく元となる作品と強い結びつきがあり本編から飛び出すような形の作品を「スピンオフ」と呼びます。
「スピンオフ」の例文
・『大人気作品のスピンオフが制作されることになった』
・『スピンオフの人気が高くなり本家の知名度を上回る』
「リマスター」とは
「リマスター」とは、「最新技術で映像や音声を修復し画質向上やサラウンド化など現代基準の品質に適合するように調整すること」を意味する言葉です。
「リマスター」での目的は「品質向上」です。
元になる作品の良さはそのままに傷やよごれを修復し現代でも通じるよう画質や音声を調整する作業を「リマスター」といいます。
映画で本編の撮影に使用された大元のフィルムのことを「マスターフィルム」といいます。
「リマスター」の元々の意味は「マスターフィルムの修復」や「新たに調整してマスターフィルムからプリントすること」であり、映像や音楽の大元にあたる素材の調整作業が「リマスター」です。
「リマスター」の例文
・『名作アニメがリマスターされたので美しい映像で楽しめる』
・『リマスターされた映像がとてもきれいだ』
「リメイク」と「スピンオフ」と「リマスター」の違い
「リメイク」は元となる作品や素材を参考に新たに作りなおすことを意味します。
元作品の魅力はそのままですが独立した作品として製作されます。
「スピンオフ」は元となる作品からの派生作品です。
個別の作品として独立していますがつながりは強く元作品を知っているとより楽しめます。
「リマスター」とは品質向上のための調整作業を意味します。
画質や音質は向上しますが作品そのものは昔のままです。
まとめ
デジタル化により古い名作を見る機会が増えていますが「リメイク」と「スピンオフ」と「リマスター」では作品そのものに大きな違いがあります。
それぞれがどのような形で作品を作るのか言葉の意味をきちんと知っておきましょう。