住む場所に関する言葉として「移住」と「移民」と「定住」がありますが、どのような意味の違いによって使い分ければいいのでしょうか。
今回は、「移住」と「移民」と「定住」の違いについて解説します。
「移住」とは?
「移住」とは、「現在の住まいを引き払い遠くはなれたところに移り住むこと」を意味する言葉です。
「移住」とは「現在住んでいる土地から離れて別の土地に生活の本拠地を移すこと」を指します。
意味合いとしては「引っ越し」と似ていますが「移住」は「仕事や生活環境など人生に関わるさまざまなことが移り住むことによって大きく変わる」という意味合いを含む別の言葉です。
住む場所を変えることが人生の大きな転機になるときに「移住」という表現が使われます。
住まいは変わるが仕事や学校は変わらないような比較的近場に移り住む行為を「移住」とは表現しません。
「移住」の例文
・『東京を離れて東北に移住する』
・『沖縄に移住してから10年が過ぎた』
「移民」とは?
「移民」とは、「生まれ育った国を離れ別の国に移り住むこと」を意味する言葉です。
異なる文化や異なる習慣、異なる民族が暮らす土地に移り住むことを「移民」と表現します。
一時的な移動ではなく「別の国に根を下ろし永住を前提に移り住む行為」が「移民」です。
基本的には「自発的な意志で居住地を別の国に移すこと」を指し、迫害などの理由で仕方なく国を離れる場合は「移民」にはあたりません。
本来の言葉の意味からすると個人や家族など少数で移り住むことも「移民」に含まれますが、社会的には「別の国へ移り住む人々」という集団の意味合いで使うことが多く「国境を越えた民族の移動」を「移民」と表現しています。
「移民」の例文
・『国境近辺に移民が住み着いている』
・『移民問題は欧州諸国にとって悩みのタネになっている』
「定住」とは
「定住」とは、「特定の場所に住まいを構えて永続的に居着くこと」を意味する言葉です。
「移動を前提とせずその場所に長期継続的に住み続けること」を「定住」と表現します。
具体的な定義はありませんが「その土地を本拠と定め将来的な移動を前提にしない居住」なので住民票を移したり賃貸物件を契約したりなど生活拠点としてその住まいに住み続けるのであれば「定住」にあたります。
単身赴任や期限付きの人事異動など将来的に離れることを前提とした居住でも生活拠点として一定程度定着していれば「定住」に含まれます。
外国人の場合は在留許可や永住権など一時的ではない滞在資格を有している者は「定住」しているとみなされます。
「定住」の例文
・『北海道に定住する』
・『東京近郊に定住しているが田舎暮らしにも興味がある』
「移住」と「移民」と「定住」の違い
「移住」と「移民」はどちらも別の土地に移り住むことを意味し「定住」はその場所に定着することを意味します。
「移住」や「移民」で別の土地を気に入りその場所にずっと住むのが「定住」です。
「移住」は主に国内や同じ文化圏内で拠点を移すことを意味し「移民」は国外に移り住むことを意味します。
国境を越えない生活拠点の移動が「移住」、国境を越える生活拠点の移動が「移民」、生活拠点を構え継続的に住み続けるのが「定住」という地街があります。
まとめ
グローバル化や生活スタイルの多様化がすすむ中、「移住」と「移民」と「定住」がますます増えていくのは確実だとされています。
それぞれの言葉の定義を理解し正しい表現を用いましょう。