この記事では、「勘違い」と「間違い」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「勘違い」と「間違い」の違い
「勘違い」とは、意味や内容などを本当のことと違うこととして認識することです。
「間違い」には、4つの意味があります。
 1つめは、真実とずれている、真実と一致しないことです。
 2つめは、しくじり、あやまち、過失です。
 3つめは、普通ではない出来事のことです。
 4つめは、男女の仲のことで、分別のない夫婦ではない肉体関係のことです。
「勘違い」は、間違って認識することで、「間違い」と似ているような意味なのですが、やや意味合いが違います。
「間違い」は、本当のことと一致しないことです。
 一方、「勘違い」の場合は、本当のことと一致しないことを、そうであると決めつけてしまうことで、思い込みという意味が含まれています。
 この点で意味が違う言葉です。
「勘違い」と「間違い」の使い方の違い
 本当のことではないのに、そうであると思い込むことについて「勘違い」を使用します。
 本当のこととは一致しないことや、過ちについて「間違い」を使用します。
 たとえば、ペットボトルの中に茶色い液体が入っていて、この液体をウーロン茶だと思ったとします。
 ラベルがついていないので、容器から判断することができません。
 この人は、ずっとウーロン茶だと信じていました。
 しかし、実際に飲んでみると麦茶でした。
 このことは、ウーロン茶と麦茶を「間違えた」ということもできるのですが、ウーロン茶であると決めて信じてしまっていた、つまり思い込んでいたので「勘違い」といいます。
 間違っていて、さらに思い込みもある場合に「勘違い」を使用します。
「勘違い」と「間違い」の英語表記の違い
「勘違い」は英語で“misunderstanding”と表現をします。
「間違い」は英語で、誤りの意味では“amistake”や“error”と表現をし、普通ではないことの意味では“accident”と表現をします。
「勘違い」の意味
「勘違い」とは、本当のこととは一致していないのに、それを本当であると決めて信じることです。
 友達と待ち合わせをしました。
 待ち合わせ時間は午前11時です。
 しかし、この人は待ち合わせ時間は、午前10時だと認識をしていました。
 本当は午前11時なのに、午前10時だと思っているのは、本当のこととは一致していないということができます。
 それにもかかわらず、この人は午前10時だと決めて信じていました。
 真実とは違うことを、真実であると信じて疑わないことを意味する言葉です。
 体脂肪が多いと、お腹がぽっこりとでてしまうことがあります。
 男性の場合だと、脂肪でお腹がでているとわかりますが、女性の場合だと脂肪でお腹がでているのか、妊娠をしていてお腹がでているのか、他人が判断するのは難しいです。
 本当な脂肪でお腹がでているのに、ぽっこり丸くお腹がでていて妊婦のように見えたため、妊娠をしているのだとそれを見た人が思ったとします。
 しかし、本当は妊娠をしていないので、これは「勘違い」だといえます。
「勘違い」の使い方
 本当のことではないのに、本当であると思い込んでいることについて使用をします。
 本人が意図的に行うことはなく、周囲に指摘されて気が付くことが少なくありません。
 たとえば、待ち合わせ時間が午後1時なのに、午後3時であると信じていたとき、わざと午後3時だと思っているのではなく、本当にそうだと思っています。
 意図的に行っているのではありません。
「勘違い」を使った例文
 ・『痔と生理を勘違いする』
 ・『カッコウが鳴いていると勘違いする』
 ・『勘違いを指摘された』
 ・『獲物と勘違いをして、猫がおもちゃを襲う』
「勘違い」の類語
「思い違い」「誤解」が類語です。
「思い違い」には、本当のこととは違ったことを認識してしまうという意味があります。
「誤解」とは、あることを、本来とは違ったものとして理解することです。
「勘違い」の対義語
「正解」「正しい」が対義語です。
「正解」とは、正しく理解すること、「正しい」とは事実とあっていることです。
「間違い」の意味
「間違い」には、4つの意味があります。
 1つめは、本当のことと一致しないこと、正しくないことです。
「間違い絵探し」というものがあります。
 これは、2つの絵があって、一方は正しいとされる絵、もう一方は正しいとされる絵と少し違う部分がある絵です。
 正しいものと違っている部分を探すことを「間違い絵探し」といいます。
 正しいとされる絵と違う部分は、正しくない、つまり「間違い」です。
 2つめの意味は、過ち、しくじり、過失のことです。
 商品を10個仕入れようと思っていました。
 しかし、パソコンの操作を正しくできていなかったようで、商品を20個仕入れてしまいました。
 これはしくじりであり、「間違い」です。
 3つめの意味は、普通ではない出来事、事故のことです。
 小学校1年生の姪が、おばさんの家に一人で電車でやってくることになりました。
 やってくる時間は正午の予定です。
 しかし、正午を過ぎてもやってきません。
 このようなとき「何か間違いがあったのではないか」ということがあります。
 4つめの意味は、夫婦ではない人同士の分別のない肉体関係のことです。
「間違い」の使い方
 正しくないという意味で使われることが多くあります。
 人間はいつもいつも正しいことができるわけではありません。
 日常でも、本来乗るべき電車とは違うものに乗ってしまう、買い物を頼まれて頼まれたものとは別の物を買ってしまう、計算をしていて答えが正しくなど、いろいろな「間違い」をしています。
 そのため、広く使われています。
「間違い」を使った例文
 ・『設定に間違いがあります』
 ・『しばらくしてから間違いに気が付いた』
 ・『味に間違いはないと自信満々だ』
 ・『間違いを許す』
「間違い」の類語
「過ち」が類語です。
 失敗、正しくないことという意味があります。
「間違い」の対義語
「正しい」が対義語です。
まとめ
 本当のこととは一致しない、正しくないという意味を持つ2つの言葉ですが、「勘違い」には思い込みという意味も含まれている点が異なります。



