この記事では、「確実」と「着実」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「確実」と「着実」の違い
「確実」とは、危なそうなところがなく、あやまちがないことです。
「着実」とは、落ち着いていて、危なそうなところがなく、確実に物事を行うことです。
2つの言葉は似ている意味を持っていますが、ややニュアンスが違います。
「確実」の場合は、間違いがないという意味です。
「確か、昨日話していた」のような、疑うことがないようなことを指しています。
「着実」の場合は、危なそうなところがなく、やり方が一歩一歩確かであるという意味です。
確かに進んでいくような意味を持っています。
たとえば、「おしゃれに見えるのは確実です」といった場合、絶対おしゃれに見えるといった意味合いになります。
これを「着実」に置き換えることはできません。
「着実」は一歩一歩進んでいくような意味なので、「おしゃれに見えるのは着実です」とすると意味がわかりません。
このように、「確実」は間違いがない、「着実」は確かに物事を行うという意味があります。
「確実」と「着実」の使い方の違い
真実と違わない、間違いがないといった意味で「確実」を使用します。
「確かである」という意味での使い方です。
危ないところがなく、確かに物事を進めていくことについて「着実」を使用します。
進む速度は関係ありません。
「確実」と「着実」の英語表記の違い
「確実」は英語で“certain”や“sure”と表現をします。
「着実」は英語で“steady”や“sound”や“solid”と表現をします。
「確実」の意味
「確実」とは、間違いがないことです。
絶対そうであろうという意味合いになります。
ここに1枚の紙があります。
そこには、誰かによって文字が書かれていました。
どこかで見たことがあるような字です。
ある人は「これは彼の文字だろう」といいました。
この人は、絶対彼に違いない、彼の文字に違いないという確信を持っています。
このような「確か」という意味を持っている言葉です。
もしもこれが、もしかしたら彼かもしれないし、そうでないかもしれないといった場合、「確実」とはいえません。
あやふやなことを意味する言葉ではないです。
今度会議が開かれることになりました。
会議を行うときに飲み物を提供するため、何人が会議に出席するのか知りたいと考えました。
飲み物に余りを出したくないので、正確な数字を知りたいです。
これを「出席者の確実な数を知りたい」ということができます。
出席者の数に間違いがないという意味です。
もしも、会議に出席するのは10人かもしれないし、20人かもしれないし、絶対にこの人数だといえる数字を出せないときには「確実」とはいいません。
絶対にこの方法でやせるというものを知りたいという人は少なくないようです。
巷には数多くのダイエット本が販売されており、動画サイトでもさまざまなダイエット方法が紹介されています。
この絶対だ、ということを指して「確実」といいます。
しかし、誰がやっても「確実」にやせる方法はありません。
「確実」の使い方
確かである、間違いがないという意味で使用をします。
「昨日、確実にニュースで放送していた」といった場合、ニュースで放送していたという出来事と、自分が認識しているもの間に違いがない、真実と一致している、そうであるという意味合いになります。
あやふやなことには使用しない言葉で、もしかしたら昨日ニュースで言っていたかもしれないし、言っていなかったかもしれない、といった場合には使用しません。
そうであると自信を持っていえるようなことについて使う言葉です。
「確実」を使った例文
・『明日、確実に返却します』
・『確実に貯金できます』
・『この方法を試せば、確実にアイロンがけが楽になります』
・『確実にメイク崩れしにくくなります』
「確実」の類語
「正確」「的確」「明確」が類語です。
「正確」は正しいという意味で、数値など誤差にかかわるようなことについていいます。
「的確」とは、的を射ていることです。
「明確」には、他とはっきりと区別がつくという意味があり、論理的なことに使われることが多くあります。
「確実」の対義語
「不確か」が対義語です。
疑わしいところがあるという意味になります。
「着実」の意味
「着実」とは、危ないところがなく、一歩一歩しっかりと進んでいくことです。
子どもが塾に通っていて、塾ではテストが行われていました。
塾に通い始めたときには、テストの点数が60点だったのですが、1か月後には65点、2か月後には70点、3か月後には80点をとれるようになっていました。
これは、一歩一歩しっかりと成績が伸びている、つまり前に進んでいるということができます。
このような確かに進んでいくことを意味する言葉です。
これがもしも、最初は60点、1か月後が65点、2か月後が55点といったようだと、確かに進んでいるとはいいにくいかもしれません。
このようなことを指す言葉ではありません。
SNSをやっていたとします。
SNSにはフォロワーがつきます。
最初はまったくフォロワーがいなかった状態ですが、少しずつですがフォロワーが増えてきました。
これも少しずつですが、確かに進んでいるということができます。
あるときに急激に増えた、あるときには減ってしまったといった場合は、確かにフォロワーが増えているということはできず、「着実」ではありません。
「着実」の使い方
危ないところがなく、やり方がしっかりしていて、前に進んでいくことについて使用をします。
前に進む速度は関係ありません。
「着実」を使った例文
・『着実に成績を伸ばしている』
・『着実に貯金が増えています』
・『遅くてもいいので着実に仕事をこなしてください』
・『着実にファンを獲得している』
「着実」の類語
「堅実」が類語です。
やり方が確かで危なそうなところがないという意味になります。
「着実」の対義語
「危なげ」が対義語です。
危なそうという意味があります。
まとめ
確かという意味を持つ2つの言葉ですが、「確実」は間違いがないこと、「着実」は危ないところがないことで、意味合いが違います。