「処理」と「処置」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「処理」と「処置」の違い生活・教育

この記事では、「処理」「処置」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「処理」と「処置」の違い

「処理」とは、物事をうまく扱って、後片付けをすることです。

「処置」には、2つの意味があります。

1つめは、その場や状況にふさわしい判断をして、方法や手段を実行して、物事を片付けることです。

もう一つは、傷や病気の手当てをすることです。

物事を取りさばくという意味が共通していますが、同じことを意味する言葉なのではありません。

「処理」の場合は、物事を扱って、うまく片付けることです。

適切な対応をするだけでなく、最後の結果までを含みます。

「処置」の場合は、適切に対応をすることで、最後に結果よりも、対応することに焦点を当てています。


「処理」と「処置」の使い方の違い

物事に適切な対応をして、最後までやって片付けることについて「処理」を使用します。

物事に適切な対応をすることについて「処置」を使用します。

「処理」は最後までやって片付ける意味を含んで使用しますが、「処置」は最後までやって片付けるという意味を含まずに使われることがあります。


「処理」と「処置」の英語表記の違い

「処理」は英語で、始末する意味では“disposal”と表現をし、化学的な「処理」については“treatment”と表現をします。

「処置」は英語で、適切な対応の意味では“disposal”“measures”と表現をし、手当の意味では“treatment”と表現をします。

「処理」の意味

「処理」とは、物事をうまく扱って、物事に締めくくりをつけること、後片付けをすることです。

人間は生活をしているとゴミを出します。

家庭で出たゴミを家の中に置き続けると、嫌な臭いが発生をしたり、ゴキブリなどの生物が出てきたりすることがあります。

そのため、ゴミをうまく扱う必要があります。

一般的に家庭では、ゴミ収集日に収集場所にゴミを出します。

ゴミ収集日に収集場所に出しておけば、回収車がやって来て、ゴミを持って行ってくれます。

持っていかれたゴミは、ゴミを燃やす場所にまで運ばれ、燃やされてから埋め立てをされます。

このようにゴミが扱われ、最後には片付けることができました。

この最後の過程までを含めて「処理」といいます。

結果を出すまでのことを意味しており、途中の過程のどこかで止まってしまい、けりをつけられていないことを意味するのではありません。

もっと身近なものでは、男性の場合だとヒゲがあります。

ヒゲを剃らずにいると伸びてきます。

職業によってはヒゲが伸びているのはよくないとしているので、その場合は何らかの対応をする必要があります。

そこで、ヒゲが伸びてきたときには剃って「処理」をします。

ヒゲをうまく扱って、最終的にけりをつけることができています。

「処理」の使い方

物事をうまく扱って、最後までやって片付けることについて使用をします。

単にうまく扱うことではなく、後片付けをして結果がでるまでのことを指しています。

何かをやっていて、途中で放棄してしまうことについては使用しません。

「処理」を使った例文

・『夕食用の魚をうまく処理する』
・『多数のメールが届いて処理が大変だ』
・『写真の一部にモザイク処理をする』
・『手続きをして処理をする』

「処理」の類語

「処置」「処分」「始末」が類語です。

「処分」には、要らないものを捨てたり、売ったりして、最終的に片付けることという意味や、物事の決まりをつけることという意味があります。

「始末」には、倹約、物事の初めと終わり、物事の最終的な状態、物事の締めくくりをつけることという意味があります。

「処理」の対義語

ぴったりな対義語はありませんが、強いて言えば「放置」が対義語です。

何もしないでそのままにしておくことです。

物事にけりをつけることができていません。

「処置」の意味

「処置」には、2つの意味があります。

1つめは、その場や状況にあった考えを定めて、方法や手段を実際に行動に移し、物事を後片付けすることです。

オープンカーに乗っていると、突然雨が降ってきたときに困ります。

そのまま走り続けていれば、雨によって乗車している人は濡れてしまい、車内も濡れてしまいます。

そこで、適切な方法をとる必要がでてきます。

オープンカーに乗っているときに傘をさしてはいけないので、この場合の適切な方法は屋根を閉めることになります。

これによって、物事を片付けることができました。

ある物事について方法を考えて、それを実行して、物事に始末をつける意味です。

もう一つの意味は、傷や病気の手当てをすることです。

擦り傷をしたときには、傷口を洗って砂などの汚れを取り、水けを拭き取って絆創膏を貼るなどの手当てをします。

この手当を「処置」といいます。

骨折をしたときには、応急の「処置」をします。

まずは、氷嚢など冷たいものを骨折部に当てて冷やします。

骨折部は心臓よりも高い位置にあげ、腫れを防ぐために安静にします。

添え木になるものがあれば、添え木になるものを使用して固定をし、安静に保ちます。

これらはとりあえずの「処置」なので、その後に病院で診てもらうようにします。

「処置」の使い方

その場や状況を判断して、適切な対応を取ることについて使用をします。

事にあたることを意味しており、最終的な結果に関係なく使うことが可能です。

手当の意味では、どのような傷・病気についても使用することができます。

擦り傷のような小さなものでも、包丁で指を切ってしまうようなものでも、手当をすることについて「処置」ということができます。

「処置」を使った例文

・『検査で異常が見つかったため処置をした』
・『病院で処置をしてもらう』
・『リスクが低い処置を考える』
・『すぐに処置は済みます』

「処置」の類語

「処理」「処分」「始末」が類語です。

「処置」の対義語

ぴったりな対義語はありませんが、強いて言えば「放置」です。

適切な対応をとっていないことになります。

まとめ

物事を扱う意味を持つ言葉ですが、「処理」は最終的にけりをつける意味を含み、「処置」は適切な方法で物事をさばくことで、ニュアンスが違います。