「処分」と「処理」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「処分」と「処理」の違い生活・教育

この記事では、「処分」「処理」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「処分」と「処理」の違い

「処分」の主な意味は3つあります。

1つめは、あるものごとをどうするか決めて、その物事を終わらせることです。

2つめは、決まり事に背いた人に対して罰則を与えることです。

3つめは、要らないものを捨てたり売ったりして、最終的に片付けることです。

「処理」には、物事を扱って、結果までを出して片付けることという意味があります。

どちらの言葉にも、物事を扱うという意味が含まれていますが、同じことを意味しているのではありません。

「処分」は、人についていも、物についてもいうことができる言葉です。

人については罰を加えること、物については捨てたり売ったりして、最終的に自分の手元からなくすことを意味しています。

「処理」は人についてはいわず、物についていう言葉です。

何かの手を加えて、最後までやって片付けるという意味を持っています。

また「汚水処理」のように、手を加えて別の形にする意味もあります。


「処分」と「処理」の使い方の違い

「処分」は人や物に使う言葉です。

人の場合は、ルールを破った人に対して使用をし、物については、要らないものや余ったものなどについて使用をします。

「処理」は人については使用せず、物について使用をします。

物を扱って最終的に片付ける意味まで含みます。

また、物に何かをして形を変える意味でも使用します。


「処分」と「処理」の英語表記の違い

「処分」は英語で、始末する意味では“disposal”と表現をし、罰する意味では“punishment”と表現をします。

「処理」は英語で、始末する意味では“disposal”と表現をし、化学的な手を加える意味では“treatment”と表現をします。

「処分」の意味

「処分」の意味は主に3つあります。

1つめは、取り扱いを決めて、物事を片付けることです。

2つめは、決まり事を破った物に対して罰を与えることです。

テレビや新聞などで、政治家が違法な行為をしたと伝えられることがあります。

違法をしたと伝えるだけでなく、その後に何かしらの罰を受けていることも伝えられます。

議員資格の停止、活動停止など、罰の方法はいくつかあります。

違法とは、決まり事を破ることです。

人間が決めたルールを破ったものに対して、こらしめを与えることを意味する言葉になります。

3つめの意味は、要らないもの、余ったものなどを、売ったり、捨てたり、譲ったりして、自分の手元からなくすことです。

古くなってもう着ることがない服が手元にあります。

もう着ることはありませんが、まだまだ着られそうなのでゴミにするのはもったいないです。

そこで、リサイクルショップに持っていき、売ることにしました。

これを「処理」ということができます。

リサイクルショップでは売ることができなかったので、オークションに出品をして、買い手が見つかりました。

これも意味する言葉です。

また、地域のゴミ回収に出すことも意味します。

最終的になくなることを意味する言葉です。

「処分」の使い方

人については、決まり事を破ったものに対して、こらしめを与える意味で使用します。

決まり事を破っていないものに対して、何かしらの行為をすることには使用しません。

それは罰とはいわないからです。

物については、最終的に手元からなくすことの意味で使用をします。

売る、捨てる、譲るなど、方法は問いません。

「処分」を使った例文

・『その少年は保護処分が決まった』
・『処分の対象とはなりません』
・『これから処分を決めるところです』
・『もう処分するしかないと思います』

「処分」の類語

「処置」「処理」「始末」が類語です。

「処置」には、物事を適切に扱うという意味や、傷や怪我の手当てをするという意味があります。

「始末」とは、物事に決着をつけることです。

「処分」の対義語

適切な方法を取らないという意味で「放置」が対義語です。

「処理」の意味

「処理」とは、物事にうまく対応をして、片付けをすることです。

物質に手を加えて違う形にする意味を含みます。

家庭からは、生ゴミ、紙ゴミ、包装のゴミなど、さまざまなゴミがでます。

これらはごゴミ回収車に持って行ってもらい、ゴミ処分場で焼却をしてもらい、最終的に埋め立てされます。

ゴミが燃やされて別の形になっています。

そして、最後まで何かを行って片付けています。

このように結果を出すまでを意味する言葉です。

汚水も形を変えて最終的に片付けています。

家庭から出る汚水は、河川にそのまま流されてしまうことがありますが、処理場で消毒されたり、ゴミを取り除いたりして、河川や海に放流されます。

処分場で違う形にされて、片付けられているのです。

物については、働きかけをするという意味を含みます。

種なしブドウというものがあり、ジベレリン液にブドウの房を浸すことで作られています。

ジベレリンは植物ホルモンという物質です。

植物ホルモンによってブドウに働きかけをしていることになります。

手を加えるのは物で、人についての意味は持っていません。

そのため、法律を破った人に対して罰則を与える意味ではない言葉です。

「処理」の使い方

物に何かをして片付けることについて使用をします。

何かをしている途中でやめてしまうことではなく、最終的な結果を出して片付けるまでをいいます。

結末までの意味を含んでいる言葉です。

人については使いません。

罰則を与える意味は含みません。

人に働きかけることには使わない言葉です。

「処理」を使った例文

・『下水の処理方法について住民が抗議をする』
・『情報処理を任された』
・『どうやって処理をしたらいいか考えているところです』
・『加熱処理が必要です』

「処理」の類語

「処置」「処分」「始末」が類語です。

「処理」の対義語

適切な対応をとらず、片付けていないという意味で「放置」が対義語です。

まとめ

物事を扱う意味を持つ2つの言葉ですが、「処分」は人にも物にも使うことができ、「処理」は人には使えず物に使う言葉で、使い方が違います。