「早合点」と「早とちり」の違いとは?分かりやすく解釈

「早合点」と「早とちり」の違い生活・教育

似たような言葉である「早合点」「早とちり」ですが、何か違いや使い分けはあるのでしょうか?

この記事では、「早合点」「早とちり」の違いを分かりやすく説明していきます。

「早合点(はやがてん)」とは?

「早合点」とは、「よく聞いて、確かめたりせずに理解したつもりになること」を意味する言葉です。

「はやがってん」とも読みます。

「合点(がてん/がってん)」は主に「承知すること」「理解すること」「納得すること」などの意味を含み、「合点(がてん)がいく」(意味:理解ができる、納得がいく)という慣用句で用いられることが多いです。

「早合点」は文字通り「ちゃんと理解していないのに、早まって合点してしまうこと」を表しています。


「早合点」の使い方

・『彼は旅行先がそこに決まったと早合点して、ホテルの予約を決めてしまった』
・『契約書をよく読まずに早合点して商品を購入した結果、業者とトラブルになってしまった』
・『口数が少ないので、彼女のことを寡黙な人だと早合点していたが、実はすごく明るい人だった』
・『相手が早合点してしまったのは、自分の説明の仕方に原因があるかもしれない』


「早(はや)とちり」とは?

「早とちり」とは、「早合点してしまった結果、間違えること」を意味する言葉です。

「早とちり」「とちり」「しくじり」「ミス」という意味であり、「失敗する」「やり損う」という意味の動詞「とちる」を名詞形にした言葉です。

「早とちり」は文字通り「早合点をしたことにより、とちる(ミスする)」ことを表しています。

「早とちり」の言葉の使い方

・『私は小さい頃から、人の話をよく聞かずに早とちりすることが多かった』
・『彼は早とちりしないように、話や書面の内容を何度も確認するようにしている』
・『相手が浮気していると彼女の方が早とちりしてしまい、ケンカに繋がったようだ』
・『トラブルの内容を調査したところ、部下が早とちりしたまま仕事を進めたことが原因のようだ』

「早合点」と「早とちり」の違い

「早合点」が意味するところは「ちゃんと理解していないのに、理解したつもりになること」であり、「勘違い」「勝手な思い込み」に似たニュアンスを含んでいます。

そして、「早とちり」はその「早合点」が原因で「間違えること」を意味しています。

「早合点」が指すのはあくまで「理解したつもりになること」であり、「早とちり」のように「間違えること」「失敗すること」のようなニュアンスは含みません。

したがって、「私は早合点してしまった」と表現した場合は「私はちゃんと理解していないのに、理解したつもりになっていた」という意味になります。

一方、「私は早とちりしてしまった」と表現した場合は「私はちゃんと理解していないのに、理解したつもりになっていた結果、間違えてしまった」という意味になり、表現に微妙な違いが生まれます。

まとめ

「早合点」とは、「よく聞いて、確かめたりせずに理解したつもりになること」を意味する言葉です。

「早とちり」とは、「早合点してしまった結果、間違えること」を意味する言葉です。

似たような言葉であり、思わず同義語だと「早とちり」してしまいそうですが、意味と違いをしっかり把握し、「早合点」せずに使い分けるようにしましょう。