この記事では、「全て」と「総て」の違いを分かりやすく説明していきます。
「全て」とは?
全て(すべて)とは、全部のこと。
仕事や事柄の始めから、終わりをあらわします。
どれもこれも、ひっくるめて「全て」です。
もともと「全て」の「全」は「ひとつのまとまり」を示しています。
そのため「県内全ての学校」や「市内全ての幼稚園」というように、あるグループの中における集団をあらわす場合もあります。
また「全て」は「完璧に」という、パーフェクトな状態もいいます。
そのため「停電は全て復旧しました」や「作戦は全て成功しました」という言い方をします。
物事すべてが「全て」です。
「総て」とは?
総て(すべて)は「ことごとく」という意味があります。
おおよそ、全体にあたるのが「総て」です。
「総て」の「総」は「全部」という意味があります。
色々な物事を残らず、いいあらわした表現が「総て」です。
「総じて(そうじて)」に近い意味があって、ある事柄の全体像を言いたい場合にも用いられています。
また打ち消しの言葉と組み合わせると、持っているものを全部なくすという意味にもなります。
「財産を総て失いました」や「所有物を総て置いてきました」のように使います。
「全て」と「総て」の違い
どちらも「すべて」と読みます。
「全て」と「総て」の違いを、分かりやすく解説します。
・常用漢字は「全て」
「全て」と「総て」はどちらも「すべて」と読みます。
そして平仮名の「すべて」は「全体、全部」をあらわします。
「メールはすべて消去してください」や「すべての持ち物には、名前を書いてください」のように使います。
一方ですべては「全て」と「総て」、そして「凡て」と3つの書き方があります。
このうち日常生活で使われているのは「全て」のみ。
「総て」と「凡て」は常用外漢字とされているので、新聞やニュースで用いられることはありません。
「全て」と「総て」はほとんど意味は変わらないので、迷ったら「全て」と書いておくことがおすすめです。
ちなみに漢字の勉強をしたとき出てくる「常用漢字」とは、政府が決めた漢字のこと。
誰が見ても分かりやすい漢字を、国が決めたものです。
そのため常用漢字に決まった漢字は、国や地方自治体の文書、そしてテレビのニュース等で使われています。
常用漢字は定期的に見直しがおこなわれ、後から追加されることもあります。
ちなみに「全て」が常用漢字の仲間入りをしたのは、つい最近のこと。
それまでは「すべて」と平仮名で書くことが一般的だったので、新しい選択肢が加わるようになりました。
豆知識として、覚えておくといいです。
まとめ
「全て」と「総て」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも「すべて」と読みます。
「全て」は物事の始めから終わりまでをいいます。
そして「総て」も「全部」という意味があります。
常用漢字の観点からみると、よく用いられているのは「全て」です。
日常生活に役立ててみてください。