この記事では、「藪から棒」と「寝耳に水」の違いを分かりやすく説明していきます。
「藪から棒」とは?
予期せずに物事が起こるさまという意味です。
藪の中から予期せずに棒を突き出す意からの言葉です。
藪とは、雑草や雑木が生い茂っているところをいいます。
手入れがされていないので、藪の中に何がいるのか外からでは様子がわかりません。
まさか、ここから棒が突き出してくるとは思わないことでしょう。
たとえば、これまで全く野球に興味がなかった人がいたとします。
テレビで野球を見ることはほとんどなく、自分がプレーすることもありません。
そんな人が突然に「プロ野球選手になる」という、そういったことがこの言葉が指すものです。
野球をやったことがない人がプロ野球選手になるというとは予期しないでしょう。
その兆候がまったくない状態で、こういった発言をするのは突然といえます。
「藪から棒」の使い方
予期せずに物事が起こるさまを指して使用する言葉です。
それが起こるであろうことを予想できていた場合には使用しません。
「寝耳に水」とは?
思いがけない出来事や知らせなどに驚くことをたとえた言葉です。
寝ているところに、耳に水が落ちてきたらビックリします。
冷たさではっと目覚めることでしょう。
この言葉はたとえで、実際に寝ているところに耳に水が落ちてくるのではありません。
長年同じアパートに住んでいたとします。
このアパートには30年ほど住んでおり、ずっとここで暮らすと思っていました、あるとき、大家さんからアパートの取り壊しをするから出て行って欲しいといわれました。
老朽化で取り壊すことになったそうです。
これまで平凡に暮らしていたところに、いきなりこのようなことを言われて驚きました。
これまでアパートに大きな問題がなかった場合、まさか取り壊しがあるとは思わないことでしょう。
その驚きをたとえると、この言葉になります。
「寝耳に水」の使い方
思いがけない出来事や知らせがあって、それに驚いた場合に使用をします。
出来事や知らせが予想されていたものであったり、それがあったときに驚かなかったりする場合には使用しません。
「藪から棒」と「寝耳に水」の違い
前者は突然という意味合いです。
予期せずに物事を行うさまをいいます。
後者は驚きをたとえた言葉です。
予期せしない出来事や知らせがあり、驚いたことをたとえた言葉になります。
驚くという意味も含まれています。
「藪から棒」の例文
・『藪から棒に何なんだ』
・『藪から棒な話』
・『藪から棒な発言』
・『藪から棒な行動』
「寝耳に水」の例文
・『寝耳に水とはまさにこのこと』
・『彼にとっては寝耳に水だった』
・『寝耳に水であったことだろう』
・『これが寝耳に水というものか』
まとめ
どちらの言葉にも予期せずにという意味がありますが、2つの言葉の意味は異なります。
一方は突然であるさま、もう一方は驚くさまのたとえです。