この記事では、「要件」と「用件」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「要件」と「用件」の違い
同じ読み方となるため、少しややこしい「要件」と「用件」。
同じ読み方だからと言って、決して同じ意味ではありません。
最も大きな違いとしては、条件の有無が大きく関係してきます。
「要件」の場合、同じ用事でも必要な条件がある状態を意味し、「用件」の場合は、同じ用事でも条件は必要ありません。
つまり、「要件」には、必ず必要な条件が存在し、そしてまた、大切な用事といった意味があります。
一方、「用件」には、必要な条件はなく、相手に伝えなければいけないこと、しなくてはいけない仕事、用事といった意味があります。
「要件」と「用件」の使い方の違い
必要な条件の有無によって使い分けが必要となる「要件」と「用件」。
例えば、ビジネスの場で、付き合いのある取引先から仕事に関する具体的な内容などを確認する場合は「要件」を用いることになり、初めて会った人に話を聞く場合は、「用件」を用います。
同じ「要件を聞く」、「用件を聞く」でも、このような違いを基に使い分けが必要となるのです。
必要な条件がある用事は「要件」を。
必要な用事がない場合は「用件」を。
そして、相手の立場、用事の重要性などに応じて、使い分けが必要な「要件」と「用件」となります。
「要件」と「用件」の英語表記の違い
「要件」の英語は、requirementです。
「急ぎの要件」は、Urgent request 「条件[要件]を満たす」は、satisfy the conditions [requirements] 「要件を具備する」は、fulfill [satisfy] the necessary [required] conditionsといった表現方法となります。
「用件」の英語は、businessです。
「ご用件は?」は、May I help you? 「ほかの用件」は、other matters of businessといった表現方法となります。
「要件」の意味
必要な条件といった意味がある「要件」。
そのため、非常に重要な用事を意味する言葉となります。
重要な用事を言う意味があるため、必ずしなければならないといった意味も含まれます。
単なる用事ではなく、重要度が高く、また、その条件を満たす場合に用いる言葉が「要件」です。
「要件」の使い方
必要な条件がある場合に使用することになる「要件」。
そのため、「卒業の要件」、「必要な要件」、「要件を満たす」、「要件を定める」、「要件を緩和する」など、必要な条件を踏まえた使い方が主な「要件」の使い方となります。
「要件」を使った例文
・『卒業要件に必要な単位を取得することができず、留年確定だ。』
・『許可を取るために必要な要件をクリアしなければならない。』
・『急ぎの要件があるので、至急、連絡を取りたい。』
・『大学の推薦入試の要件を満たすために、3年間努力を続けてきました。』
「要件」の類語
「要件」の類語として、必要条件といった意味の類語には、「基本条件」や「必須条件」。
事前に必要なことを意味する類語には、「前提条件」があります。
そのほか、前置きとなる条件を意味する場合、「前提」、「土台」、「基盤」、「前置き」など。
必ず必要になる条件を意味する場合、「絶対条件」、「マスト」、「必須条件」、「必須項目」などがあります。
「要件」の対義語
「要件」には、対義語はありません。
「用件」の意味
必要な条件などなく、単なる用事といった意味がある「用件」。
そのため、「要件」に比べ、気軽に用いる事ができる言葉となります。
「用件」にも、行わなければならない用事といった意味がありますが、その重要度はさほど高いものではありません。
また、相手に伝えなければいけない用事、しなければいけない用事、といった意味があります。
「用件」の使い方
必要な条件など関係なく死闘することができる「用件」。
そのため、「用件を話す」、「用件を伝える」、「用件を聞く」、「ご用件は?」などといったように、その内容について話す、伝える、確認するといった使い方が主な「用件」の使い方となります。
「用件」を使った例文
・『大した用事でもないため、電話で手短に用件を伝えさせてもらった。』
・『お待たせいたしました。ご用件をお伺いさせていただきます。』
・『どんなご用件でも、遠慮なくお伝えください。』
・『無事に用件も済んだので、同僚と軽く飲んでから帰宅することにした。』
「用件」の類語
「用件」の類語には、目的といった意味として、「所用」、「用向き」、「用」、「用事」、「用向」、「用むき」などがあります。
「用件」の対義語
「用件」には対義語は、ありません。
まとめ
このような違いがある「要件」と「用件」。
最も重要な違いは、必要な条件の有無です。
「要件」の方が重要度は高く、大切な用事を意味し、「要件」に比べると、必要な条件などはなく、気軽に使用することができる「用件」。
これらの違いを踏まえ、的確に使い分けることが必要な言葉となっています。