この記事では、「運命」と「宿命」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「運命」と「宿命」の違い
「運命」には、2つの意味があります。
1つめは、人間の力を超えたところにある、幸・不幸を与える力のこと、またその力によって与えられる幸・不幸のことです。
2つめは、将来の成り行きのことです。
「宿命」とは、この世に命を受ける前に定まっている人間の運命のことです。
「宿命」の意味の中に「運命」という言葉が含まれており、「運命」と「宿命」はほぼ同じ意味を持っています。
「運命」は「宿命的な」という意味を持っている言葉です。
しかし、「運命」には幸・不幸を与える力という意味が含まれていますが、「宿命」には幸・不幸の意味は含まれていません。
同じ出来事があっても、それを幸せなことと受け取る人もいれば、不幸なことと受け取る人もいます。
この世に生まれてくる前に定まっていることは、人それぞれ違いますが、仮に同じことが定まっていたとしても、同じ出来事から幸福を感じるのか、不幸を感じるのかは、人それぞれ違うのです。
「宿命」によって幸・不幸が決まるものではありません。
「運命」は変えられると考えられていますが、「宿命」はあらかじめ定まっているものなので、変えることはできないとされています。
「運命」と「宿命」の使い方の違い
人間に幸・不幸を与える見えない力や、その力によって与えられる幸・不幸のことに「運命」を使用します。
人間がこの世に命を受ける前に決めてきた成り行きに「宿命」を使用します。
「運命」と「宿命」の英語表記の違い
「運命」は英語で、人間の力を超えたものから与えれるものについては“fate”と表現をし、悪い運については“doom”、よい運については“fortune”と表現をします。
「宿命」は英語で“fate”や“destiny”と表現をします。
「運命」の意味
「運命」には、2つの意味があります。
1つめは、人間の力を超えたところにある、人間に幸・不幸を与える力、またその力によって与えられる幸・不幸のことです。
神や見えない力の存在を信じるか、信じないかは人それぞれですが、これは神の力でないと無理なことだと思われるような出来事が、人生の中にはあるはずです。
そういったものを指して「運命」といいます。
もう一つの意味は、将来の成り行きです。
成り行きには、物事が変化していく様子という意味があります。
「彼とは結婚する運命だった」といった場合、彼とこれから結婚する運命が定められているといった意味になります。
宿命的な意味を持っている言葉です。
しかし、「運命」はこの世に生まれてくる前に決められているものではなく、変えられるものであるという考えがあります。
「運命」の使い方
人間の力を超えたものによる幸・不幸を与える力や、これからの成り行きについて使用をします。
人間の力を超えたものから与えられる幸・不幸は、頻繁にやってくるものではないでしょう。
そのため、この意味では頻繁に使うものではありません。
「運命」を使った例文
・『運命としかいいようがない』
・『彼と運命を共にする』
・『この人によって運命が変えられた』
・『映画の中の二人の運命が気になる』
「運命」の類語
「運」「運勢」が類語です。
どちらも「運命」と同じような意味ですが、「運」は 「金運」「恋愛運」など具体的なものに使用をし、「運勢」は「今月の運勢」など占いで一定期間の運のことに使用する言葉です。
「運命」の対義語
対義語はありません。
「宿命」の意味
「宿命」とは、人間がこの世に命を与えられて生まれてくる前に定めてきた運命という意味があります。
人間はただの肉体的存在ではなく、魂を宿しているといわれています。
肉体が滅んでも魂は存在し、あの世と呼ばれるところに魂が帰っていくとされています。
今この肉体を持って生きている世界とは別の、あの世といわれる場所で、この世に生まれる前に決めてくることを「宿命」といいます。
「宿命」の使い方
この世に生まれる前に決めてきた運命のことを指して使用をします。
生まれてきてから自分で決めたもののことではありません。
「宿命」を使った例文
・『これが私の宿命だ』
・『こうなることは宿命だったのだろう』
・『宿命なんだと受け入れている』
・『自分の宿命を知りたい』
「宿命」の類語
「宿運」「定め」が類語です。
「宿運」には、生まれてくる前から定まっている運命という意味があります。
「定め」には、決定、おきて、運命、安定していることという複数の意味があり、「宿命」の類語になる意味は運命です。
「宿命」の対義語
対義語はありません。
まとめ
「運命」には「宿命的」な意味があり、2つの言葉は同じような意味を持っています。
しかし、「運命」は変えられるものなのに対し、「宿命」は変えられないものである点が違います。