「変化」と「変容」と「変更」
いずれも同じような言葉に感じますが、違いや使い分けはあるのでしょうか?
この記事では、「変化」と「変容」と「変更」の意味や違いについて分かりやすく説明していきます。
「変化」の意味とは?
「変化」には2つの読み方があり、それぞれ違う意味を指しています。
「変化(へんか)」の意味とは?
「変化(へんか)」とは、主に「あるものの状態や性質などが他の状態や性質に変わること」を意味する言葉です。
また、文法において、「人称や数、格などが変わることによって単語の語形も変わること」を意味します。
「変化(へんか)」を使った例文
・『彼は変化に富んだ人物であることが最大の魅力だ』
・『四季の移り変わりに応じて、この辺りの景色も美しく変化する』
「変化(へんげ)」の意味とは?
「変化(へんげ)」には以下の意味があります。
・「神仏などが本来の姿を変えて種々の姿を現すこと、現れたもの」、「権化」
・「動物などが姿を変えて現れること、現れたもの」、「化け物」
・「人が姿形を次々に変えること」
「変化(へんげ)」を使った例文
・『昔の日本では、狐や狸は変化して人を化かすと伝えられている』
・『彼女はパフォーマンスで華麗なる七変化を披露し、観客たちを魅了した』
「変容(へんよう)」の意味とは?
「変容」とは、「姿形、状態、内容が変わること、または変えること」を意味する言葉です。
「容」という字には、「いれる」、「おさめる」、「ゆるす」のほか、「すがた」、「かたち」、「ようす」、「中身」などの意味も含まれています。
「変容」を使った例文
・『世相や価値観の変容と共に、法律や制度も変容していく』
・『インターネットの普及により、社会や人々の生活は変容した』
「変更(へんこう)」の意味とは?
「変更」とは、「決められた物事などを変え改めること」を意味する言葉です。
「更」という字には、「かえる」、「あらためる」、「入れかわる」などの意味が含まれています。
「変更」を使った例文
・『既存のプランから新しく発表された料金プランへと変更した』
・『前例のない事態が起こり、一時的にルールを変更せざるを得なくなった』
「変化」と「変容」と「変更」の違い
「変化」も「変容」も「何かが元の状態から別の状態に変わること」を意味する類義語ですが、「変容」は特に「姿形や様子などの変化」を指して用いられることが多いようです。
一方、「変更」はルールや仕様など「決められた物事」を対象に用いられます。
また、「改める」という意味合いを含んでいるため、「変化」や「変容」と違って、自分や他者の意思に基づいた行動として表現されます。
よって、「(自分の意思で)ルールを変更した」、「(他者の意向により)ルールが変更された」という表現はされても、「(天候の影響により)気温が変更した」、「(天候の影響により)気温が変更された」などの表現はされません。
まとめ
・「変化」には2つの読み方があり、それぞれ違う意味を指します。
「変化(へんか)」の場合、主に「あるものの状態や性質などが他の状態や性質に変わること」を意味します。
「変化(へんげ)」の場合、「神仏などが本来の姿を変えて種々の姿を現すこと、現れたもの」、「動物などが姿を変えて現れること、現れたもの」、「人が姿形を次々に変えること」を意味します。
・「変容」とは、「姿形、状態、内容が変わること、または変えること」を意味する言葉です。
・「変更」とは、「決められた物事などを変え改めること」を意味する言葉です。