「大使館」と「領事館」と「公使館」の違いとは?意味や違いを分かりやすく解釈

「大使館」と「領事館」と「公使館」の違いとは?生活・教育

テレビや記事などを見ていると「在○○大使館」「在○○総領事館」といった言葉を見聞きします。

また、「公使館」という似たような言葉もあり、いまいち違いが分からないという方も多いのではないでしょうか?

この記事では、「大使館」「領事館」「公使館」の意味や違いについて分かりやすく説明していきます。

「大使館(たいしかん)」の意味とは?

「大使館」とは「大使が駐在先の外国で公務を行う在外公館」のこと指します。

「大使館」は駐在国の首都に置かれることが決まりとなっています。

「大使」とは、正式名称「特命全権大使」であり、外交官における最上位の階級に当たる役職です。

臨時的に派遣された大使を指して「大使」が用いられる場合もありますが、基本的には「特命全権大使」のことを指します。

「大使館」は駐在国における自国の外交活動の拠点となり、駐在国との外交上の事務や交渉、ビザやパスポートにかかる発行・発給・更新、また自国民の保護などの業務を担います。


「領事館(りょうじかん)」の意味とは?

「領事館」とは「領事が駐在先の外国で職務を行う在外公館」のことを指します。

「領事」とは、駐在国にて、自国の通商や自国民の保護に関する業務を担う外交官のことです。

「大使館」が駐在国の首都に設置されるのに対して、「領事館」は首都以外の主要都市に設置されることが多いです。

これは、戦争や災害などの不足な事態に見舞われたとき、「大使館」の機能を円滑に移転できるようにリスクを分散するためです。

また、「大使館」が自国と駐在国との外交や政治上の問題を取り扱っているのに対して、「領事館」は、その地方に在留する自国民の保護のほか、駐在国の国民に対するビザの発行や自国文化の紹介といった通商促進を図ったサービスも提供しています。


「公使館(こうしかん)」の意味とは?

「公使館」とは「公使が駐在先の外国で職務を行う在外公館」のことを指します。

「公使」とは、自国を代表して外国に駐在し、外交上の事務を担う職務、及び職員のことを指します。

「公使」とは、正式名称「特命全権公使」であり、先述した「大使」に次ぐ外交官の階級に当たります。

「大使館」と同じく自国と駐在国の外交交渉を担うほか、「領事館」と同じように自国の文化紹介などの広報活動も行っています。

1967年に「日本国公使館」はすべて「大使館」へ昇格したため、現在では「日本国公使館」という施設は存在しません。

まとめ

「大使館」とは「大使が駐在先の外国で公務を行う在外公館」のこと指します。

「領事館」とは「領事が駐在先の外国で職務を行う在外公館」のことを指します。

「公使館」とは「公使が駐在先の外国で職務を行う在外公館」のことを指します。

いずれも自国と駐在国間における外交上の拠点となり、外交交渉や自国民の保護業務などを担います。

ただし、現在、「日本国公使館」という名称の施設は存在していません。