この記事では、「大衆」と「公衆」と「民衆」の違いを分かりやすく説明していきます。
「大衆」とは?
不特定多数の人々から構成された集合体を指し、社会(人口)の大部分を占める一般の人々も指します。
一つの組織ではないという定義があり、大衆の中に家族や同僚がいることはあるため、様々な利害関係が共存しているのが大衆ということもできるでしょう。
大衆の意思が一定の方向を向くことは「公衆」や「徒党」など別の言葉になっていきます。
大衆車という言葉は一般庶民でも買えるようなある程度廉価な乗用車を指します。
時代ごとの価値観や平均年収等の差があるため定義に変化はありますが、高級車は大衆車ではありません。
英語ではMassとなります。
マスコミの「マス」を指す言葉です。
「公衆」とは?
不特定多数で共通の関心で結ばれ、かつ組織化されていない人々の集団を指す言葉で、プロ野球チームのファン層、政党の支持層、特定の企業やブランドを支持する層など、互いに知り合いではないものの間接的に同じ関心を持っている人々を公衆ということが出来ます。
また、この意味とは異なり、社会一般の人々という意味もあり、公衆電話や公衆トイレ、公衆無線LANは社会一般の人々のためにある施設です。
現在の使われ方では社会一般という意味合いの方が多く使われており、公衆の意味の英語のpublicも社会一般という意味合いが強いと言えるでしょう。
「民衆」とは
国家、社会を構成する多くの人々のことで、被支配階級者による一般大衆を指します。
「官僚」「内閣」などは民衆にはカウントすることはないでしょう。
英語ではpeopleとなります。
実際にどこかに集まっている人を指すというよりは統計や人口、制作や商品のターゲットとして見た人々などを指します。
言葉としては作品のタイトルとして使われている以外は学術や歴史の著作テーマなどに使われ、法律用語には民衆訴訟という言葉があります。
「民衆車」という言葉はありません。
「大衆」と「公衆」と「民衆」の違い
「大衆」と「公衆」と「民衆」は意味としてはすべて多くの人の集まりという前提があります、あまり現在では使われていない意味となりますが「公衆」はそれぞれの人々の繋がりはないものの同じ関心を持った集団という意味もあります。
「民衆」は国家や社会を構成する被支配階級者の集まりという定義があり、「大衆」は特定の階級、立場に属さない一般的な勤労階級の人々という使い方に微妙な違いがあるという見方もあり、国を問わない全世界の一般の人々を大衆、県などやや単位の小さい一般の人々を民衆と使い分けることも出来ますが、厳密に使用されているわけではありません。
まとめ
「大衆」と「公衆」と「民衆」は大勢の一般の人々という意味があり、その立ち位置や範囲によって言葉の使われ方が変わります。
大衆車という言葉や公衆電話という言葉も多くの人々のためにあることを前提とした言葉です。